柏木由紀×倉野尾成美、AKB48卒業×総監督就任記念スペシャル対談。19年目のAKB48は大きな転換期に!?
――あとは『水着サプライズ』(2009~2017年)。AKB48選抜総選挙の結果をグラビアにした本です。 柏木 撮影が総選挙の翌日なんですよね。ランクインした全員が朝イチからひとつのスタジオに集まって撮影するという。順位によって水着がゴールドだったり、赤だったり。 私はありがたいことに徐々に順位が上がっていったので、選挙結果のうれしさを実感できる最初の現場だったんですけど、一方では落ち込んでるコもいたり、マジでカオスな現場。今思うとめっちゃAKB48っぽいお仕事でしたね。 ■今のAKB48はマジでかわいい ――柏木さんから見た今のAKB48って? 柏木 めっちゃまとまりある感じがします。レッスンとかを通して、みんなで意見を言い合って、高め合って、ひとつの目標に向かう。令和の体育会系みたいな。圧はなく、みんなで楽しく頑張りたいという感じで、すごくいい環境だなって。 昔は、個々で頑張ればそれがグループの勢いにつながるというところがありましたけど。だからパフォーマンスも、それぞれが競って。 ――それこそ柏木さんがウインクを決めるとかも。 柏木 ほかと違うことしないと目立たない時代でしたね。ダンスをそろえてくださいとか、なかったですもん。 ――それが変わったのはいつなんですか? 柏木 『根も葉もRumor』(2021年)が分岐点かもしれないです。ロックダンスで、とにかく全員でそろえなきゃいけない。たくさん練習しないとできない曲が来たんですよ。 倉野尾 そこは大きかったと思います。アイドルのダンスのレベルが上がって、K-POPブームが来て、ダンスはそろってるほうがカッコいい、みたいな。 柏木 私、『根も葉もRumor』のレッスン期間は病気でお休みしてたんですよ。戻ってきたらAKB48がめちゃくちゃ変わってた。もし私がいたら、そんなにやらなくてよくない?ってなってたかもしれない。でも空気感が完成してるところに復帰したから、そこになじまざるをえなくて。 でもやったらめっちゃ楽しかった。昔の、自分をどう出すかというのも楽しかったけど、「そろえる」というのは、自分がひとつのピースとしてはまるというか、いないと成立しないから、自分の存在や役割をちゃんと感じられてうれしいんですよ。 たぶん、今のAKB48は個を出すより、集団を見せたほうが届くものがあるんじゃないかと(運営が)判断したんじゃないですか? そういう意味では最新シングルの『カラコンウインク』は中間ぐらい。 私が最後というのもあって、曲は誰もがAKB48ってわかる、ダンスで個性を出せるけど、そろうところもあってけっこう難しい。グループの昔と今をミックスした、最高の曲と振り付けとMVが仕上がりました。これを見たら今のAKB48のやりたいことが伝わります!