トランプ氏、関税引き上げ推進と表明-所得減税原資の一部に充当へ
(ブルームバーグ): トランプ前米大統領は13日、関税を引き上げ所得減税の原資の一部にする考えを示した。来年、米議会では税制改革が議論される見込みで、実施されれば世界貿易や消費者物価の不確実性が高まる恐れがある。
トランプ氏は首都ワシントンで開かれた共和党下院議員との会合で、来年失効する2017年税制改革法の延長と接客業チップ収入への課税免除に加え、関税引き上げを推し進めると述べた。同会合に出席した複数の議員が明らかにした。
関税引き上げに懐疑的だった一部議員を含め、出席者らはトランプ氏の主張は好意的に受け止められたと語った。
トランプ陣営の広報担当、キャロリン・リービット氏は「トランプ氏は会合中に持ち上がった多くの案の一つとしてこのアイデアを提示しただけであり、これまでも関税が上がれば、米労働者に課す税金は下がる可能性があると何度も発言してきた」とした上で、「トランプ減税の恒久化がトランプ氏の最優先事項であることに変わりはない」と説明した。
ただ個人所得税の税収は輸入関税収入をはるかに上回るため、関税引き上げで所得減税を相殺するのは難しい。米関税収入はここ10年間で約3倍に増加したものの、歳入全体に占める割合は2%にとどまる。米行政管理予算局(OMB)によると、個人所得税収は昨年、歳入の約5割を占めた。
原題:Trump Floats Tariff Hikes to Offset Some Income Tax Cuts (1)(抜粋)
--取材協力:Stephanie Lai、Billy House、Gregory Korte、Enda Curran.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Kailey Leinz, Erik Wasson