東京の都心で「郡上おどり」の輪 なぜ青山で岐阜の踊り?
日本三大踊りの一つともいわれる「郡上おどり」(岐阜県郡上市)を東京の都心で楽しめる「郡上おどりin 青山」が28日、開幕した。
郡上八幡城主の青山公が縁
この催しは今年で21回目。なぜ岐阜の踊りを青山で? と思われるかもしれないが、実は郡上と青山の縁は深く、江戸時代、郡上八幡城主だった青山公の江戸屋敷があり、「青山」の地名はこれに由来している。青山の梅窓院が青山公の菩提寺だった縁で1994年から始まった。 郡上おどりは郡上八幡の夏の風物詩で、7月中旬から9月上旬まで33夜にわたって続く“日本一のロングラン盆踊り”。8月13日から16日の徹夜おどりがクライマックスになる。有名な「かわさき」など10種類の踊りがあり、観光客も地元の人も一緒に輪になって踊るのが特徴だ。
生演奏の唄に合わせて踊り楽しむ
昨年の20回記念大会は、1万人を集めて秩父宮ラグビー場の駐車場で行われたが、新国立競技場建設の絡みで今年は港区立青山小学校で行われた。 この日は朝から雨に降られたが、踊りが始まるころにはぴたりとやんだ。校庭の中心に、唄や三味線、笛、太鼓を演奏する屋形が設置され、その屋形を中心に輪になって踊った。本場の郡上おどりでは曲の調子に合わせて下駄を鳴らすが、校庭の芝生を痛めないためのシートが引かれ、残念ながら下駄は鳴らせない状態。しかし、浴衣姿や私服の踊り客らが入り混じり、唄に合わせて手拍子や合いの手を入れながら思い思いに踊りを楽しんだ。最初は傍から踊りを眺めていた人たちも徐々に輪に加わり、締めの「まつさか」のころには踊りの輪が会場いっぱいに膨らんだ。 郡上市出身の友だちに連れられてきたという東京在住の女性会社員4人組は、「初めてだったけど、うまい人の見よう見まねですぐ踊れるようになった」「唄や曲が生演奏で驚いた」「(7月に開幕する)本場の踊りにも行ってみたい」などと口々に感想を語っていた。 「郡上おどりin青山」は29日まで。会場近くの梅窓院では郡上八幡の物産展が開かれる。