広島・田中 存在感光るシート打撃唯一のマルチ安打 すり足気味フォームで球界変化に適応
「広島春季キャンプ」(20日、沖縄) キラリと光った存在感が、周囲の期待を増幅させた。広島・田中広輔内野手(34)がシート打撃に参加して野手陣唯一のマルチ安打をマーク。「調整を任されている部分もある中で、今のところ順調に過ごせている」と納得顔を見せた。 【写真】栗林 宝刀フォークに場内大拍手 フォーム改造奏功 まずは新外国人・ハッチと対戦。初球を空振りした後、2球目を左中間へ運び二塁まで進んだ。そして栗林からはファウルの後の2球目を捉え、三塁線を破る左前打。「やっぱり年々、反応というのは自分が思っている以上に遅くなっている部分も感じる。(現段階で)自分から積極的に、というのは思っています」と早いカウントから仕掛ける狙いを明かした。 打撃フォームに目を移すと、これまでの右足を大きく上げる形ではなくすり足気味に変更。「同じ力を出せれば、そっちの方がブレもないし(相手)投手の工夫もいろいろあるので。基本的に球速も上がっているし、そういう中で対応できたら」と意図を明かす。近年は剛速球を投げる投手が台頭。さらに走者なしでもクイックモーションで投球する場面もある。球界のトレンドも踏まえ、対応力を磨く構えだ。 さすがの2安打に新井監督も「元気だね。去年よりさらに状態がいいなと見える」と頼もしげ。若手の競争が激化する沖縄で、充実の時間を刻む34歳は「元気をもらうし、いい刺激にもなる。まだまだ負けずに頑張りたい」と汗を拭った。目指すはシーズンでのベストパフォーマンス発揮。抜かりなく、整えていく。