サッカー女子・C大阪ヤンマーが女性アスリートの体調管理へ土台作り 「生理とスポーツ」勉強会を全員で受講 WEアクション
サッカー女子・WEリーグ各クラブは「WEアクション」というイベントを実施している。C大阪ヤンマーは4月に「生理とスポーツについて」と題した勉強会をチーム全員で受講。女性特有のバイオリズムについて理解を深めた。U-20女子日本代表DF白垣うの(18)と池原亮トレーナー(32)に感想や収穫を聞いた。 一般社会だけでなくスポーツ界でも、ひと昔前まで生理が公に話題にされることは少なかった。体調不良も他人に伝えず耐えるものという認識が浸透していた。しかし近年は知識を共有し、適切なケアをすることの重要性が認識され始めた。 C大阪ヤンマーは、一般社団法人「スポーツを止めるな」の協力による女性アスリートの生理と課題解消へ理解を深めるワークショップを実施。元競泳日本代表・竹村幸さんの実体験に基づく講演を聴講し、グループワークなどで意見を出し合った。10代の若い選手が多い同クラブでは、早い時期に女性の体調変化について学ぶことが重要と考え、この勉強会を開催したという。 参加した白垣は「中学や高校の授業で学んだことはあったが、今回は体調面の辛さの個人差など、詳しく知らなかったことも具体的に教わった」と仲間の体調変化へ理解を広げるチャンスになったという。竹村さんの講演で印象に残ったことに「(竹村さんが)生理が重く、遠征はスーツケースの半分ほども生理用品を詰めて持って行くというのを聞いて、そんなに持って行くんだと驚いた」という点を挙げた。 月経痛や体調不良、体のむくみや体重増加などは競技に影響する場合もある。監督、指導者やトレーナーら男性スタッフも一緒に受講することで共通理解を得ることもできたという。「講演会以降、スタッフに体調について相談しやすくなった。自分はそんなに辛さはないが、言いやすい雰囲気になったのかなと思います」という。 仕事上、女性の体調管理について基本的な知識は持っていたという池原トレーナーも「言葉遣いなど配慮した方がいいことなどを再認識した」と振り返った。クラブ内ではもともと体調についてオープンに話す雰囲気があったというが、具体的な例を知ることで気遣うべき内容も明確になったという。「男性スタッフは生理について技術面の知識はあるが“何となくは知っているが、何となくしか知らない”ところがあった。それを分かりやすく話してもらえたので、より理解が広がったと思います」。女性アスリートが健康に、より過ごしやすい環境でプレーするための土台作りは、さまざまな形で広がりつつある。(デイリースポーツ・中野裕美子) ◆WEアクション リーグの理念「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」の一環としてさまざまなイベントを実施。セカンドキャリアや社会福祉、年齢・性別を問わず参加できるスポーツなどについてクラブ、パートナー企業など一体で取り組んでいる。