バルサ&レアルの両下部組織に在籍した選手が証言「下部組織の重要度はマドリーよりバルサが上」「ただマドリー出身の方が他クラブに適応できる」
レアル・マドリーとバルセロナの両クラブのカンテラ(下部組織)に在籍した選手たちが、その違いについて語っている。 モハ・モウクリス(24)はモロッコにルーツを持ち、マドリーで生を受けた選手。レアル・マドリーのカンテラで育ったが、2023年にアンドラからのレンタル移籍でバルセロナBに加入し、現在はムルシアでプレーしている。その一方でハウメ・ハルディ(22)はバルセロナのカンテラで育ったが、2022年にレアル・マドリーBに加わり、現在はヒムナスティックでプレーしている。逆のキャリアを歩んできた両選手が、スペイン『アス』とのインタビューでマドリー&バルセロナのカンテラの違いについて説明している。 バルセロナは今季も、FWラミン・ヤマル、DFパウ・クバルシ、MFマルク・カサードをはじめとして多くのカンテラーノ(下部組織出身選手)がトップチームでプレーしているが、モハはバルセロナのカンテラであるラ・マシアが同クラブにとって非常に重要な存在と強調した。 「ラ・マシアはバルサにとって、とても大切なものなんだ。レアル・マドリーにとってのラ・ファブリカ(工場を意味するマドリーのカンテラ)よりもね。基本的な違いはプレー哲学にある。バルセロナはクラブ内の全チームが一つのプレーアイデンティティーを共有しているがマドリーはノーだ。バルサのユニフォームを着れば、“4-3-3”と“ポジショナルなプレー”と“ハイプレス”に交渉の余地なく適応しなければならない。対してマドリーは、トップチームとBチームで、もうプレーの方法が違うんだよ」 またハルディは、バルセロナがバルセロナのための選手を育成しているのに対して、レアル・マドリーがどのクラブでも通用する選手を育てているとの見解を示している。 「バルサは選手たちを自分たちの哲学に当てはめて鍛造する。一方のマドリーはもっと一般的な育成をしている。だからマドリーを退団した選手は、ほかのチームに適応しやすいんだ。バルサであれば、ずっと一つの方法でプレーし続けるわけだからね」 「才能ある選手をより目にしたのは、マドリーよりバルサのカンテラだった。マドリーだってアリバス、ニコ・パスみたいな素晴らしい選手たちが出てくるけど、結局トップチームでプレーする可能性がないために、クラブを出て行くことになるんだよ」 モハは一緒にプレーした印象深い選手として、ヤマル、カサドらの名を挙げる。 「ヤマルとは少ししかプレーしなかったけど、その途方もないクオリティーにはすぐ気づいたよ。特別な才能の持ち主だ。カサドは僕の相棒だったけど、その価値を証明しているね。マドリーでは(現ジローナDF)ミゲル・グティエレスが心に残っている。素晴らしいクラスの選手で、サイドバックだけではなく中盤でもプレーできる」 一方でハルディは、ヤマルの才能がFWリオネル・メッシにすら届き得るものとの見解を示した。 「今現在、僕がすごいと思っている選手はヴィニシウスだ。あのドルトムント戦のパフォーマンスを見たばかりだしね。でも、今後3年間でラミンが最もすごい選手になると思う。彼はメッシだけにしか見られなかった才能を持っている」 レアル・マドリーのカンテラーノは欧州5大リーグで44人、全世界の1部リーグで93人がプレーしているのに対して、バルセロナのカンテラーノは欧州5大リーグで63人、全世界の1部リーグで136人がプレー。適応および活躍ぶりはともかくとして、輩出数ではバルセロナが上回っている。