もっと知りたい北方領土(3) 料亭やビリヤード場も 東洋一の捕鯨場
現在は歯舞群島以外の3島にロシア人1万7千人居住
ほかの島でも国後島古釜布のカニ缶詰工場など、北方4島は水産業が盛んでした。また、国後・択捉両島では、林業やサケ・マスのふ化事業、鉱業(硫黄・金・銀)、国後島では馬の畜産業も行われていました。終戦時、4島全体では3,124世帯、17,291人が暮らし、39校の国民学校などにおよそ3千人の児童が就学していました。 戦後のソ連軍の不法占拠により、これらの人々は島を追われました。日本人は4島に暮らせない状況が続いていますが、今も歯舞群島は根室市に属し、そのほかの3島は根室振興局所属で、色丹島は色丹郡色丹村、国後島は国後郡泊村と同留夜別(るよべつ)村、択捉島は択捉郡留別(るべつ)村、紗那郡紗那(しゃな)村、蕊取郡蕊取(しべとろ)村となっています。 一方で現在、ロシア側の行政区分では北方領土は「サハリン州」に属していて、歯舞群島、色丹島、国後島が「南クリル地区」、択捉島が「クリル地区」とされています。終戦当時の島民の数とほぼ同じ約1万7千人のロシア人が、色丹・国後・択捉3島に居住しています(歯舞群島は警備隊のみで一般住民は住んでいません)。