「うちの子、全然本読まない…」東大卒が語る子どもを“読書好き”にさせるコツ
はじめはご褒美目的でいいと割り切る
ご褒美で子どもを釣って、本を読ませる。 その方法に罪悪感を持つ人もいるかもしれません。しかし、読書に興味を持つきっかけをつくるうえでは、決して悪い方法ではありません。 ただし、ご褒美に頼り続けることにはリスクがあります。そうすることによって子どもは、ご褒美がなければ本を読まなくなるからです。 ですから理想的なのは、はじめのうちはご褒美で釣りつつも、ご褒美がなくても「読みたい!」という気持ちが湧くよう導いていくこと。 外発的動機づけから、内発的動機づけへと移行していくことです。 たとえばヨンデミーでは、ミニレッスンを受けるとスタンプがもらえたり、本の感想を送るとバッジがもらえたりする仕組みになっています。また、レベルが上がると紙芝居のようなアニメーションを楽しめるようにもなっています。 そうしたちょっとしたご褒美によって、読書への意欲が湧きやすくなるのです。 ご家庭であれば、「10分読めたらカレンダーにシールを貼ろう」「1冊読めたら好きなお菓子を食べよう」といったご褒美を設定してみるのもいいかもしれませんね。 はじめのうちはそうしたご褒美を目的に読書をはじめて、ゆくゆくはご褒美がなくても継続できるようにしていけばいいのです。
「驚く」リアクションで 褒める
大人に褒めてもらうことは子どもにとって、おかしやおもちゃ、おこづかいをもらうのとは異なる「ご褒美」になります。 褒められて「私はこれが得意なんだ」と思えると、子どもは頑張れるようになっていきます。 ただし、そのご褒美を継続しすぎることにはリスクがあります。そこで、リスク軽減のためにもおすすめしたいのが「驚いてみせること」。 褒めるという行為は「〇〇できたから褒めてあげる」という、条件つきで子どもを認める言動になりがちです。 それに対して驚くという行為であれば、ありのままの子どもの状態を認めることにつながります。 そのため、ご褒美を求める気持ちになりにくいのです。 また、ただ褒められるよりも大人に驚かれるほうが、すごいことをしたという実感が湧いて喜びを感じることができます。その実感が自信になり、やがては自ら読みたいという気持ちにつながることもあります。 「読書をした子どもの様子に驚く」という保護者にとってはささやかな行動が、子どもが自ら本を読むきっかけをつくることがあるのです。 ただしこのとき、ひとつ気をつけていただきたいことがあります。 それは、読めた本のレベルに応じた態度で褒めたり驚いたりすること。 小説を読んでも絵本を読んでも同じ驚き方をしていると、子どもはその裏にある大人の思惑を見抜いてしまいます。 子どものレベルを把握したうえで適度な驚きを見せる必要があるのです。 【まとめ】 ●ご褒美目的の読書からスタートして、徐々にご褒美なしでも読めるようにしていけばいい ●「褒める」よりも「驚く」のほうが低リスクで効果的なご褒美になる
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