長嶋茂雄が苦戦し、“ヒゲの齊藤”齊藤明雄に「なんでこの世界入ってしまったんだろう」と思わせたレジェンドの話がアツい
6月18日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週火曜夜10:00-11:00、BSJapanext<263ch>)。今回のゲストは、横浜DeNAベイスターズの前身・横浜大洋ホエールズ一筋17年、“ヒゲの齊藤”の愛称で親しまれている斉藤明雄。そして最多勝やベストナイン、沢村賞など数々のタイトルを獲得した“ハマのエース”遠藤一彦の2人だ。あの長嶋茂雄を苦しめたという大洋のレジェンド投手について、「なんでこの世界入ってしまったんだろう」「ベースの幅60センチぐらい曲がってくる」といった驚きの言葉が飛び出した。 【動画】“ハマのエース”遠藤と松永浩美が、夢のレジェンドOB一打席対決 ■多くのレジェンドが苦戦した“カミソリシュート”エピソード ゲストの現役時代の秘蔵トークを深掘りしていく、“球界アレコレ話”。今回は、斉藤と遠藤が選ぶ“大洋の〇〇NO.1”というテーマで話を深掘りしていく。最初に選ばれたのは“大洋の大エースNO.1”。MCであるフリーアナウンサー・上重聡の「お願いします!」という掛け声で2人が名前を挙げたのは、ホエールズで18年もの間活躍した平松政次だ。 平松はリーグ優勝経験こそないものの、鋭い切れ味を誇る“カミソリシュート”を武器に通算201勝という偉業を成し遂げた名物投手。斉藤はブルペンで見た平松の投球を振り返り、「この球で打たれるの?」というくらい素晴らしい球を投げるピッチャーだったと振り返る。 斉藤は当時ドラフト1位で入団したため、相当の自信があった。しかし平松が投げる球のキレや重さに、「なんでこの世界入ってしまったんだろう」と感じたそうだ。 しかし斎藤より年齢が1歳下の遠藤は、入団したときに平松が故障がちになっていた。そのため遠藤は全盛期の平松を見たことはないのだとか。しかし長い間大洋を背負って多くの勝ち星を上げている平松は、遠藤から見ても大エースだったという。 平松の“カミソリシュート”のすごさについて改めて上重が尋ねると、「ベースの幅60センチぐらい曲がってくる」と身振り手振りを交えて語る斉藤。事実としたら相当なカーブを描くことになる。また一般的なシュートはボールが落ちることが多いが“カミソリシュート”は浮き上がってきたとか、「当時正確なスピードガンがあったら、160km/h近くは出ている」という証言も。それほど速くて変化量の大きい球など、魔球といってもいいだろう。 遠藤は「長嶋茂雄さんが甘い球だと思って打ったら、内角に入ってきてバットを折っていた」「長嶋茂雄さんでも苦労した」とレジェンド・長嶋茂雄でも“カミソリシュート”に苦戦したエピソードを披露し、先達の偉業を改めて誇った。 ■斉藤と遠藤がえらんだモテ男NO.1は“慶應のプリンス” 続いてのトークテーマは“大洋のモテ男NO.1”。斉藤と遠藤の意見はここでも揃い、満場一致で山下大輔が挙げられることに。山下は“だいちゃん”の愛称で親しまれ、8年連続ダイヤモンドグラブ賞を受賞した名ショート。“慶應のプリンス”とも呼ばれてた甘いマスクが特徴でもある。 慶應義塾大学を卒業してプロに入り、そのままファンを連れてきたような感じの選手…と当時を振り返る斉藤。6大学野球時代から、噂になる程のモテ男っぷりだったようだ。 さらに山下の印象について、斉藤は「優しい」と語る。「女性に優しいんですか?」とMCのビビる大木が興味津々に尋ねると、女性だけでなく子どもなど誰に対しても優しく、紳士な一面を持っていたという。 移動のためのバスに乗るときには、「大輔さ~ん」という声援しか聞こえなかったと話す斉藤。「俺らもいるんだけどな」と当時を振り返りながらボヤき、スタジオが笑いに包まれる一幕も見られた。練習キャンプ中にファンから贈られてきたプレゼントが多すぎて、段ボールにまとめられるほどダントツの人気を誇っていたとか。 「いまの大谷くんの雰囲気ですよ」と、日本が世界に誇る二刀流・大谷翔平を例に人気ぶりを解説する遠藤。それでいて山下は人気を鼻にかけることもなく、先輩にも後輩にも好かれる好青年だったという。 そんな山下だが、普段はおとなしい性格だと斉藤は語る。口数は多い方ではなく、話すときは「どうしたの~」というのんびりとした調子。その反面、乱闘のときの山下は動きが速かったという。とはいえ攻撃するのではなく“味方選手を守りにいく”速度の話だというから、内外ともにイケメンっぷりが光る。 しかし「すぐに倒されて視界から消えてしまう」とようやくおっちょこちょいなオチがつけられると、スタジオには笑いが起きていた。 ■レジェンドのトークが軽快だった理由 今回のゲストは、大洋のレジェンドの斉藤と遠藤。オープニングトークでは、MCの上重と大木が「大洋ホエールズですよ」「重厚なお2人」と、かしこまってしまうほどの大物ゲストを迎えての放送回となった。 トークも大御所らしく、なかなか切り込みにくいと思いきや、エピソードの節々に笑いを交える斉藤と遠藤。大洋のモテ男ぶりを振り返った際には「俺らもいるんだけどな」と笑いを誘い、トーク力の高さを見せつける。 “野球界のレジェンド”というと、野球大好きなMCだからこそ身構えてしまいかねない。しかし今回の放送では、ダグアウトならではというべきラフな身内感が存分に発揮された形だ。ゲストがリラックスして当時の振り返り、ときには笑いを交え、ときには真剣な面持ちでトークを繰り広げるようすが印象的だった。 話をすることが本業ではないレジェンド選手たちも、身内しかいないとわかれば軽快なトークを繰り広げてくれる。リラックスできる環境がスタジオ全体に備わっているということだ。身内の思い出話や当時のことを振り返ることができる、文字通り“ダグアウト”のようなシチュエーション。貴重なトークの場として、今後はこれまでバラエティへの出演してこなかったレジェンドたちの登場が待ち遠しい。