ジェイソン・ステイサムが水中で新たな魅力を発揮!映画「MEG ザ・モンスター」
「MEG ザ・モンスター」はアクション・スリラー映画で、昨今流行りの「サメ映画」にカテゴライズされることは間違いないが、ジェイソン・ステイサムのための映画とも言えるのではないだろうか。 【写真を見る】主人公のジョナス・テイラーを演じるジェイソン・ステイサム 同作品はSF小説「Meg: A Novel of Deep Terror」が原作。200万年前に絶滅したと思われていた実在する巨大ザメ"メガロドン"とレスキューダイバーの戦いを描いている。 ステイサム演じる主人公のジョナス・テイラーはレスキューチームのリーダー。沈没した原子力潜水艦での救助ではメンバーを犠牲としながら、仲間を助けることに成功する。しかし、「巨大な生物の攻撃を受けた」と主張したことでその助けた仲間からも精神異常だと非難され、仕事を辞めてタイに雲隠れしてしまう。 場所が変わり、舞台は中国・上海の沖に建設された海洋研究所マナ・ワン。マリアナ海溝の海底探査を行っていたが、探査艇が巨大生物の攻撃を受けて破損し、タイで飲んだくれとして暮らすジョナスに助けを求めることに。巨大生物は200万年前に絶滅したと思われていたメガロドンであることが判明し、一人が犠牲となりながらも辛くも救出に成功する。しかし、25メートルを超える巨大ザメとジョナスらの戦いはその後も続く。 ハラハラドキドキで楽しむことができるスリラー映画となっているが、顕著なのは主人公のジョナスを演じるジェイソン・ステイサムの男らしい存在感だ。すでに「エクスペンダブルズ」などの人気映画で示されている通り、アクション俳優としての実力は折り紙付き。それが海の中、海洋生物が相手でもその魅力は一切損なわれない。 いや、むしろステイサムにとってはポジティブに働いているだろう。何しろステイサムは水泳の飛込競技の元選手で、イギリス代表チームに所属した経歴を持つほどの実力者。海へと果敢に飛び込んでいくシーンはもちろん、水中を実際に泳ぐ場面でも彼の泳力によってリアリティは抜群となっている。 作中のジョナスはまるで不可能を可能にするスーパーマンだ。冒頭のシーンでは泣く泣く仲間の救出を諦めることとなったが、タイから戻ってきてからはほぼ"無敗"。怪物のようなサメを相手にしても、「ジェイソン・ステイサムなら大丈夫だろう」という安心感に近いような感情さえ抱いてしまう。こちらが過去の印象から勝手に偶像を作り上げてしまっている部分もあるかもしれないが、ステイサム演じるジョナスの水中でのアクションシーンはそれほど頼もしい。 もちろん、この作品でのステイサムの魅力はアクションだけにとどまらない。8歳の女の子であるメイインの前ではチャーミングな表情を見せ、主任海洋学者の女性スーイン・ジャンや元妻であるローリーの前では美女の前で「良いところを見せたい」という男臭い顔も垣間見せる。こういったシーンが随所に散りばめられていることで、ジョナスも一人の人間だと思い出せるくれるわけだ。 しかし、クライマックスで潜水艇に乗りながら、メガロドンとの一騎打ちに挑むジョナスはやはり超人だと言わざるを得ない。潜水艇の破損部分を利用して巨大ザメの腹部を切りつけたかと思えば、その身一つで銛を使って目を突き刺す。最後は待っていましたと言わんばかりに肉弾戦を制し、一人で怪物を倒した勇姿を目の当たりにすると、「MEG ザ・モンスター」を"ジェイソン・ステイサム映画"というジャンルに新たに含めたくなるくらいだ。 だが、サメがメインの映画だからといってB級映画と評価するのは誤りだ。お調子者が最初に死ぬなどスリラー映画のお約束は守りつつ、一定のリアリティを保ち、前述の通りアクションも迫力満点。ジェイソン・ステイサムの新たな魅力を味わいつつ、スリルも体験できる1本となっている。 同作品はムービープラスで放送されることが決定。さらに、このほかTV初のサメ映画も併せて特集放送される。この夏はサメ映画を存分に楽しみたい。 文=まっつ
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