越乃リュウ「ランチショーで選んだ楽曲は〈ジュリー〉。子どもの頃はわからなかった沢田研二さんの魅力に酔いしれる」
◆昭和という時代にジュリーがいた幸せを今噛みしめて 脱線に脱線を重ね、ようやくドタバタ劇から抜けた頃、予防接種の犬以上に私の心を捉えた人がいました。 かっこよくて色気があって、スターのオーラが漂うスーパースター。 当時子どもだった私には、その世界観についていけるはずもなく、触れてはいけないような存在でした。 その人の名は、沢田研二。 ジュリーです。 メイクをしたジュリーが、電飾のついたミリタリージャケットで巨大なパラシュートを背負い歌う姿は、強烈なインパクトがありました。 時を超え、令和の時代にYouTubeで出会ったジュリーは、キラキラとして魅力的で、声もしぐさも色っぽく妖艶で、ドラマティックでした。 こんなに素敵だったんだ…。 時代を先取りしたジュリーの存在感。 端正なルックスと、ドキッとするほどの色気、圧倒的な歌唱力、昭和という時代にジュリーがいた幸せを今噛みしめています。 『勝手にしやがれ』 『時の過ぎゆくままに』 『サムライ』 『TOKIO』 『カサブランカ・ダンディ』 『危険なふたり』 『憎みきれないろくでなし』 『ス・ト・リ・ッ・パ・ー』 など、ジュリーワールドに魅了されました。
◆ホテルの部屋で夜景を見ながら巡るメロディー イントロを聴くだけで気持ちは上がり、ジュリーの世界に秒で入ります。 昭和世代の人間なら、『勝手にしやがれ』が流れると帽子を斜めに被ったジュリーが、『TOKIO』ならパラシュートのジュリーが、「ジュリー!」と身もだえしながら叫ぶ樹木希林さんまで浮かぶのが昭和世代です。 ブラウン管の中のジュリーはいつだって輝いていました。 YouTube学習の結果、以前歌ったことのある『勝手にしやがれ』は今回はやめ、『サムライ』と『カサブランカ・ダンディ』を選択しました。 コーラスガールの月組の後輩、晴音アキちゃんのコーラスはかっこよくて絶妙でした。 ジュリーと昭和の名曲に盛り上がり、「ボギー」のフレーズを客席で口ずさむ人も多くいました。 ホテルの部屋から夜景を見ながら、ずっと巡るメロディー。 もうしばらくジュリーワールドに浸っていたいそんな夜。
越乃リュウ