【ボートレース】134期の郷土勢がいよいよデビュー/7日の若松から/九州・山口の新人4人を紹介
■齊藤廉 憧れの父にレースで勝つ!
幼い頃から背中を見てきた憧れの父といよいよ同じ土俵に立つ。齊藤廉の父は、東京支部の主力レーサーで、結婚後に妻の地元の福岡へ引っ越した仁。同じ道を目指すことになったきっかけは、父が最高峰の舞台を走る姿を観戦したことだった。 2013年、小学4年の時だった。超一流が出場してボートレース界の頂点を決めるSGグランプリに父が初出場。目の前で観戦し、体に伝わるエンジン音の迫力、ものすごいスピードに感動を覚えたという。 そして「1/2成人式」では、「ボートレーサーを目指す」と両親の前で高らかに宣言。高校卒業前に合格をと焦りもあったが、わずか2回目の試験で合格した。 1年間の厳しい訓練生活での思い出は「みんなで声を出して一日中取り組んだエンジン始動のロープ引き」と訓練初期の苦労を振り返る。養成所では高勝率をマークして養成所チャンプ決定戦に6号艇で出場(4着)するなど、成績上位で訓練を終えた。 目標とする選手はもちろん父。「父のような選手になれるように繰り返し練習して技術を身に付けたい」と背中を追いかけ、「父に勝ちたい」。5月7日の若松で、同支部で同じく2世レーサーの香月大輝とともにデビューを迎える。
■増本杏珠 目指すは女子トップレーサー
夢見た世界をすぐに現実のものにした。増本杏珠の選手志望のきっかけは、中学前半の頃に下関ボートで乗ったペアボート。ただ、すぐに選手になりたいと本人が強く望んでも、養成所の受験資格の中学卒業はまだ少し先のことで、いったん思い直すことになった。 再び決意を固めたのは高校2年の時。「スポーツに関わる仕事に就きたい」と、最初で最後のチャンスとの決心で受けた試験で一発合格。「未来が一気に広がった」と喜ぶと同時に「必ず卒業する」と心に誓い、1年間の訓練に突入した。 養成所の生活を振り返って「伸び悩んだ時期もあったけど教官が優しく指導してくれたことで、ここまで来ることができた」と感謝する。自らの性格を「負けず嫌い」と自己分析。その負けん気はリーグ戦の成績にも反映され、リーグ戦の勝率5.56は女子2位、3連対率60.6%は女子トップ。教官も「おとなしい印象だが操縦になるとアグレッシブ」と、プロ向きの資質を評価する。 養成所で最後のレースになった修了記念競走は「自分の力を信じて戦いたい」と臨んで2着。その勝負根性ならもちろん、それで満足いくわけがない。目指すは女子トップレーサー。5月23日に福岡でその第一歩を踏み出す。