クオンツファンドAQR、機械に任せる役割さらに拡大-共同創業者
(ブルームバーグ): クオンツファンドを運用するAQRキャピタル・マネジメントは、機械に任せる役割をさらに増やしていると、共同創業者クリフ・アスネス氏が明らかにした。同社の運用資産は1090億ドル(約17兆4200億円)。
25日にニューヨークで開催された会議「ブルームバーグ・インベスト」でアスネス氏は、AQRがここ数年に実現した運用成績向上は市場サイクルも影響したが、同社はいくつか変更も手掛けたと述べた。
「人工知能(AI)のようなテーマに入るわけではないが、もっと判断を機械に委ねている」とし、「少なくともは若干は良くなったとかなり確信している」と語った。
AIの一分野である機械学習について競合他社は以前から活用を試しているが、アスネス氏は過去に、こうした新たな投資手法が自社に大きな影響をもたらすことに懐疑的な見方を示していた。同社の戦略は、伝統的な経済理論や学術研究に基づく傾向がある。
同氏はまた、自身のキャリアの中で市場が「やや効率的でなくなって」きたと指摘した。ミーム銘柄に加え、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)をきっかけに割安株と割高株の間のバリュエーションギャップが広がったことに言及した。ただこの格差は最近縮小しており、アスネス氏によれば、それは市場がバブル状態ではないことを示している。同社はバリュー株の投資機会を「格下げ」したという。
割安株投資について、「さらに進める余地があると考えているが、3年前のような千載一遇のチャンスではない」とコメントした。
AQRのマルチ戦略ファンドは今年1-4月のリターンが13.5%。2023年は16%だった。
原題:Cliff Asness Says the Machines Are Making More Decisions at AQR(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Justina Lee