【米国株ウォッチ】GMのQ2決算はトラック販売が好調、ただ米国市場には警告の兆しも
EV市場の減速はGMにとって時間的猶予が増えるというメリットもある
供給不足と前例のないインフレの時期を経て、自動車の販売価格は今後平準化する可能性が高い。GMの通期ガイダンスでは、今年後半にかけて利益が減少すると見込まれている。これは、生産日数の減少や新型車への移行に伴うコスト増による可能性もあるが、経済環境の冷え込みを裏付けるものでもある。 ■過去3年間の株価パフォーマンス GMの株価は2021年1月初旬につけた40ドル台から、米国時間8月14日現在の44ドル前後の水準まで、約10%上昇した。過去3年間のリターンを見ると、2021年は41%、2022年はマイナス43%、2023年は7%だった。これに対し、S&P500種株価指数のリターンは、2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、GMのリターンは2022年と2023年にS&P500を下回った。 ■結論 電気自動車(EV)市場の減速は、GMのような伝統的なメーカーにとって、ガソリンエンジンで駆動する自動車から利益を得ながら、長期的な目線でEV開発投資を進めるための時間的猶予が増えるというメリットもあるはずだ。一方で、より広範な世界経済や個人消費の低迷に対する懸念が株価に影響を与える可能性もあるだろう。 私たちはGMの目標株価を、現在の株価水準とほぼ同じ約43ドルとしている。
Trefis Team