「若者のダボス会議」 長崎市で平和テーマの分科会初開催 20カ国150人参加 国連軍縮担当中満泉氏も講演
若者による国際会議「ワン・ヤング・ワールド(OYW)」の平和をテーマにした分科会「ピース・プレナー・フォーラム」が11~12日、長崎市の出島メッセ長崎で開かれ、世界20カ国から約150人の若者が参加し、講演やワークショップを通して議論を深めた。初日は国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長が講演し、「平和を実現するには人間を中心に据えたアプローチが必要だ」と訴えた。 【写真】「勇気と情熱を持って」と呼びかける中満泉氏 OYWは毎年、世界各地で開催され、190カ国以上から約2千人が集う。次世代のリーダー育成が目的で「若者のダボス会議」とも呼ばれる。長崎分科会のフォーラムは、県や長崎大、長崎商工会議所などでつくる「OYW長崎協議会」が主催し、県内では初めて開かれた。 中満氏は講演で、紛争地域での公務など自身の経験から、平和は「戦争がない状態だけでは不十分で、人権保護や不平等の根絶、構造的暴力の排除が含まれる」と強調。「本当の平和は他のあらゆる課題と非常に関連している」と指摘した。 多様な価値観や社会情勢などが変化している現状にも触れ、「将来の平和のため、イノベーションを駆使して、勇気と情熱を持って声を上げてほしい。あなたたちならできると確信している」と会場に呼びかけた。 参加した岡山大大学院博士課程の宮本あゆはさん(24)=岡山市=は「社会課題について発信することは大事だと思う一方で、軽々しく発信していいのかと葛藤していた。講演を聞いて、悩みながらも行動していくことが大事だと思った」と話した。 (松永圭造ウィリアム)