中国CPI、24年通年は+0.2% PPIデフレ2年目に
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した12月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.1%上昇した。これを受け、2024年通年では0.2%上昇と小幅な伸びとなった。一方、需要低迷で生産者物価指数(PPI)のデフレは2年目に突入した。 12月CPIはエコノミスト予想と一致したが、11月(0.2%上昇)から鈍化し、4月以来の低水準となった。 前月比では変わらずで、こちらも予想と一致。11月は0.6%下落していた。 一方、変動の激しい食品・燃料価格を除いたコアインフレ率は0.4%上昇し、5カ月ぶりの高水準となった。11月は0.3%上昇だった。 通年のCPI上昇率は23年と同水準となったが、公式目標である約3%を下回り、13年連続で目標を下回った。 また、12月の生産者物価指数(PPI)は前年比2.3%下落した。11月は2.5%下落、予想は2.4%下落だった。PPIは27カ月連続で下落している。 キャピタル・エコノミクスの中国経済責任者ジュリアン・エバンスプリチャード氏はコアCPIの加速とPPIの下落鈍化について、景気刺激策が需要と物価をある程度下支えしていることを示すと指摘。ただ「刺激策による押し上げ効果は短期間で薄れる可能性が高く、基調インフレは年内に再び鈍化するだろう」と述べた。 3年目に入る電気自動車(EV)の価格競争に加え、値引きの動きは小売業界全体に広がりつつある。消費者の間ではカメラやハンドバッグなどの商品を購入せず、レンタルする傾向も高まっている。 上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)の社長兼チーフエコノミスト、張智威氏は「デフレ圧力は根強い」と指摘する。「不動産部門の低迷は終わっておらず、消費者心理を圧迫し続けている」とし、「物価の見通しは財政政策の効果に左右される部分が大きい」と述べた。