ロシア、ウクライナ東部の要衝チャシブヤールの一部を占領
(CNN) ロシア国防省は4日、自軍がウクライナ東部ドネツク州チャシブヤールの最東端の地区を占領したと発表した。一方でウクライナ軍の報道官は同軍がこの地区から撤退したことを明らかにした。防衛陣地が破壊され、この地域を維持しようとすることが得策ではなくなりつつあることが明らかになったためだという。 【映像】ドネツク州の激戦地、ドローン映像が捉えたロシア軍の「混乱」 高地の街チャシブヤールでは数カ月にわたり激しい戦闘が展開されている。ドネツク州で現在もウクライナが手にしている地域への入り口とみなされており、この戦争において重要な役割を担っている。 ウクライナのホルティツィア作戦戦略グループの広報官は、ウクライナの国営テレビに対し「この1日で、チャシブヤール地域であらゆる武器による238回の攻撃が記録された」と語った。 ウクライナの監視グループ「ディープステート」によると、ロシア軍は、1年以上前から同国が占領しているバフムートとコンスタンチノフカ、ポクロウシクを結ぶ戦略的に重要な道路に向かって移動している。この道路はウクライナ軍にとって重要な補給線だ。 数カ月にわたるロシアの執拗(しつよう)な攻撃を受け、前線の安定化に注力しているウクライナにとってチャシブヤールの一部からの撤退は厄介な展開だ。 欧米の兵器が前線に到着し始めてからここ数週間、ウクライナの戦況は好転し始めていた。ウクライナ第2の都市ハルキウに対するロシアの大規模な攻勢は回避され、東部戦線はより安定してきたように見えた。 ウクライナは、チャシブヤールの西側は現在も確実に支配しており、東部からの撤退は戦術的な決定だと主張している。 ある国防アナリストはCNNに対し、ロシア軍がチャシブヤールを占領すれば、ウクライナ軍への地上攻撃やドローン(無人機)による攻撃を行うのに有利な立場を得ることになると話す。 チャシブヤールがロシアの手に落ちれば、西側のより大きな都市が危険にさらされる可能性がある。