キューバ選手の巨人入りが、メジャー市場に与える影響
過去に亡命した有望内野手のイグレシアス(現タイガース)と契約し、現在も傘下の3Aにヒノホサ投手がいるレッドソックスのチェリントンGMは言う。 「一般的に、まず、キューバの選手が、他でプレーする機会が与えられることは、いいことだと思う。米国市場への影響を予想するのは難しいけれど、我々は、多くのキューバ選手が日本やメキシコなどでプレーする流れが起きることは、承知している。ただ、その中にも、メジャーが世界一レベルの高いリーグで、そこでプレーしたいと望む選手もいるはずだ。万一、キューバからの人材が減っても、これまで通り、ドミニカ共和国やベネズエラなどのアカデミーでの人材育成や、ブラジルや中国などでの野球発展への援助などの動きは変わらないだろう」 そんな矢先、ドジャースが2012年に7年総額4200万ドル(約43億円)という大型契約を結んだキューバ出身の大物プイグ外野手について、ショッキングなニュースが全米を駆け巡った。来月発売されるLAマガジンに、プラグの亡命の背景で起きた恐ろしい事件の詳細記事が掲載されることが分かって、地元は大騒ぎになった。地元紙によると、プイグは、メキシコの麻薬販売を担う犯罪組織が用立てた密輸船に乗って、キューバから一旦メキシコに亡命。仲買を務めた男が、プラグに金を要求して、マイアミのホテルに2週間に渡って監禁。プイグを脅迫し、更には、関係者が銃殺されるなど、ショッキングな内容となっている。プイグは、この件について口を閉ざし、大リーグコミッショナーやドジャース球団も一切のコメントを拒否している。 他にも、大リーグには、アスレチックスのセスペデス外野手が4年3600万ドル(約37億円)レッズのチャップマン投手が6年3025万ドル(約30億円)など、巨額の契約を結んだキューバ選手は多い。その高額年俸の搾取を狙って、犯罪組織が近寄ってくることもあるのだろう。誰もがプイグのような目に遇ったかどうかは分からない。多くの選手は亡命の内容について多くを語ろうとしないからだ。