チームワークで快進撃!明秀日立、市立船橋をPK戦の末に下しサニックス3位
明秀日立にとって、サニックス杯ユースサッカー大会2024の経験は大きな意味があった。 【フォトギャラリー】明秀日立 vs 市立船橋 昨夏のインターハイで創部初の日本一を達成した明秀日立。“春の風物詩”と言えるフェスティバルに初参戦し、目覚ましい結果を残した。 初の日本一を経て臨んだ昨冬の選手権は2回戦で敗退。新たなチームで臨んだ1月の県新人戦は準々決勝で水戸商にPK戦で敗れた。まさかの結果にチームは項垂れ、「一つにまとまれていなかった。個の力ばかりになっていて…」とゲームキャプテンのFW竹花龍生(2年)が嘆いたようにチームで戦う意識が欠如。危機感を感じたチームはどうすればチームとして戦えるかを突き詰め、このサニックス杯に臨んだ。 「荒れたピッチでもパスの精度が高かった。やっぱり、ヴィッセルも大津も技術がずば抜けていたと感じる」と、力の差を感じた一方で今大会はチームワークで快進撃を見せた。グループステージでは選手権ベスト8の佐賀東に3-1で快勝。海外勢のオーストラリアのニューキャッスルジェッツU-18を1-0で下すと、U-18高円宮杯プレミアリーグWESTのヴィッセル神戸U-18にも1-0で勝利して1位で1位~4位トーナメント進出を決めた。準決勝で大津に0-4で敗れ、初出場初優勝の夢は潰えたが、3月17日に行われた3位決定戦で市立船橋を撃破。13分にMF尾上陸(2年)が先制点を奪うと、1-1で迎えた50分に竹花が勝ち越し点を決めた。その後も竹花が1点を加えたが、アディショナルタイムに立て続けに失点。2点差を追い付かれてPK戦に持ち込まれたが、最後は昨季から守護神を務めるGK重松陽(2年)が4本中3本を止める活躍で勝利を引き寄せた。 市立船橋はU-17高校選抜に参加中のGKギマラエス・ニコラス(2年)、FW久保原心優(2年)が不在で、U-17代表歴を持つMF峯野倖(2年)、CB岡部タリクカナイ颯斗(2年)、CBギマラエス・ガブリエル・ロドリゲス(2年)といった主力が怪我で欠場となったが、それでもプレミアリーグ勢から勝利を手にしたことは自信につながる。 しかし、指揮官は満足感を示していない。 「特にヴィッセル、大津、市立船橋は本当にすごかった。チャレンジするには貴重な場所だった。こういう経験はメリットしかない。ヴィッセル戦では護ってカウンターで勝利して高揚感があったけど、もっと技術を上げないといけない。大津戦は連戦の疲労感を感じましたし、それぞれの試合でかなり学びがあった」(萬場努) 本当の戦いはここから。4月に開幕する茨城県リーグ1部で優勝し、プリンスリーグ関東2部に参入できるか。そして、夏と冬にもう一度頂点に立てるか。新たな目標に向かって、明秀日立は貪欲に走り続ける。 (文・写真=松尾祐希)