森山未來「まるで俳優のように虚構の世界に寄り添う」認知症の父の真っすぐさに感化された息子の思い
妻と息子を捨て、かつて愛した女性と再婚した偏屈な学者の父・陽二。父と離婚した母とふたりで生きてきた、俳優の息子・卓(たかし)。30年以上一緒に暮らしたことがなかったふたりの関係は、父が事件を起こしたという報せをきっかけに動き出します。認知症になった父はなぜ事件を起こしてしまったのか。父の元にいるはずの再婚した女性・直美は、なぜ居ないのか。良い記憶がない父親を、自分は再び理解し、受け入れることができるのか。森山未來さんの主演最新作映画『大いなる不在』は、ある父子の葛藤を通じて、誰もが心の奥底に抱えている「手放せない思い」を描いた作品です。脚本を最初に読んだ時の感想を「一読でパッとわかる作品ではなかった」と語る森山さん。ものごとを極めてロジカルに語る森山さんが心を動かされた、「理屈では説明できない」と語った思いとは、いったいどんなものだったのでしょうか? 【動画で見る】森山未來、手探りで「父」という謎を探る 森山未來 1984年、兵庫県生まれ。5歳から様々なジャンルのダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。2013年に文化庁文化交流使として、イスラエルに1年間滞在、Inbal Pinto&Avshalom Pollak Dance Companyを拠点にヨーロッパ諸国にて活動。「関係値から立ち上がる身体的表現」を求めて、領域横断的に国内外で活動を展開している。 俳優として、これまでに映画賞を多数受賞。ダンサーとして、第10回日本ダンスフォーラム賞受賞。東京2020オリンピック開会式にてオープニングソロパフォーマンスを担当。2022年より神戸市にてArtist in Residence KOBE(AiRK)を設立し、運営に携わる。主な映画作品に、『モテキ』(11/大根仁監督)、『苦役列車』(12/山下敦弘監督)、『怒り』(16/ 李相日監督)、『オルジャスの白い馬』(20/竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ監督)、『アンダードッグ』(20/武正晴監督)、『犬王』(22/ 湯浅政明監督)、『シン・仮面ライダー』(23/庵野秀明監督)、『山女』(23/福永壮志監督)、『ほかげ』(23/塚本晋也監督)、『化け猫あんずちゃん』(24/久野遥子、山下敦弘監督)などがある。ポスト舞踏派。