名門レアルと契約もBチームでプレーする久保建英の選択は正しかったのか?
移籍市場がまだ2か月以上も残った段階で、移籍金の総額は日本円にして370億円を超えている。さらにはジダン監督の強い要望を受けて、フランス代表MFポール・ポグバの獲得にも乗り出すと報じられている状況を見れば、久保の獲得は将来を見越した投資の意味合いが強い。 たとえば昨年7月には18歳になったばかりのブラジルの怪童、FWヴィニシウス・ジュニオールを10代のサッカー選手に対する金額としては破格となる、4500万ユーロ(約55億円)の移籍金でフラメンゴから獲得。当初はトップチームでの練習に参加させながら、久保と同じレアル・マドリード・カスティージャに登録した。 そして、カスティージャでゴールを量産する活躍を演じたヴィニシウスは、トップチームが極度の不振に陥っていた状況も相まって、第7節のアトレティコ・マドリード戦で「白い巨人」の一員としてデビュー。最終的にはリーグ戦で18試合に出場して、2ゴールを決めている。 対照的な道を歩んでいるのが、2015年1月に16歳にして6年契約を結んだノルウェーの神童、マルティン・ウーデゴールとなる。同じくカスティージャでプレーしながらトップチーム昇格を狙うも、世界的なビッグネームが集まる攻撃陣の牙城をなかなか崩すことができない。 2017年1月にはオランダリーグのヘーレンフェーンへ、2018年8月からは同じくオランダのフィテッセへ期限付きで移籍した。試合出場を重ねながら、ポテンシャルを開花させるべく武者修行を積んでいる。なかには新たなクラブを求める選手も少なくない。トップチームへ昇格するためには実力だけでなく、トップチームの状況を含めたタイミングや運なども絡んでくることになる。 昨シーズンのトップチームにはヴィニシウスの他にも、カスティージャでプレーした経験をもつ選手が8人いた。不動の右サイドバックであるスペイン代表ダニエル・カルバハルを含めて、他クラブでのプレーが認められてレアル・マドリードに復帰した選手がそのうち5人を数える。 カスティージャには毎年のように金の卵たちが集まってくる。たとえば久保と同じ2001年生まれの18歳で、そのプレースタイルから「ニューネイマール」と呼ばれたFWロドリゴ・ゴエス(サントスFC)は、昨年6月の段階で6年契約、移籍金4500万ユーロ(約55億円)とヴィニシウスと遜色ない条件で今夏からの加入が内定している。