飲食店2社に1社、経営に黄信号 信用リスク「高」、コロナ前の3倍に急増 「飲食料品小売」「運輸業」でも増加
対応すべき課題は山積み 「必要とされる」知恵と工夫が重要に
深刻な人手不足、賃上げ対応、原材料・エネルギーコストの上昇により資金繰りに窮する中小零細企業が増加している。借入利息を利益で賄えないゾンビ企業や、各種保証付き融資の返済を信用保証協会が肩代わりする代位弁済件数の増加は、債務超過や連続赤字に苦しむ倒産予備軍企業の増加を示唆している可能性があり、実際にこの4年間の環境変化の影響を受けた業種の信用リスクは高まっている。 小規模な事業者は内部留保に乏しく、外部環境が激変すると資金繰りが行き詰る傾向にあり、倒産に至る速度は早くなりがちである。コロナ禍で効果が高かった雇用調整助成金など現金給付がなくなり、コスト高や人手不足など業界を取り囲む状況は依然として厳しいままだ。 一方で、業界環境が悪化したなかでも企業努力によって営業展開方法の見直し、人材採用・育成の改善などで収益を確保している企業もあり、各業界で優勝劣敗が鮮明になってきている。今回分析した3業種をはじめコロナ禍に経営が行き詰った企業の内情をみると、多くはコロナ禍前から経営課題を抱えていた。 今後も人手不足や賃上げ、2024年問題、円安影響など企業が対応すべき課題は山積みだが、変化に合わせて他社と差別化を図り、お客さまから必要とされるための知恵と工夫がより一層重要となってくるだろう。