【パリ五輪注目選手】レオナルド・メインデル(ブラジル代表)「サイズ・機動力・スキル・勝負強さを兼備する万能選手」
7月27日から8月10日にかけて開催される「パリ2024オリンピック競技大会」。4年に一度の世界一決定戦を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。 文=秋山裕之
■Bリーグ屈指のオールラウンドプレーヤー
1993年3月20日。ブラジル南東部に位置するサンパウロで生まれたメインデルは、父の影響でバスケットボールを始め、フランカ大学を経て2011-12シーズンからフランカでプロキャリアをスタート。 その後ブラジルのバウル、パウリスターノ、サンパウロ、スペインのフエンラブラダでもプレーし、2022年夏にはフェニックス・サンズの一員としてNBAサマーリーグにも出場。5試合で平均12.8分5.6得点2.8リバウンドを残した。 ルーマニアのクルジェナポカで2022-23シーズンを過ごした201センチ101キロのフォワードは、2023-24シーズンからB1のアルバルク東京へ加入。両フォワードをこなす先発の一角として59試合へ出場し、平均14.5得点5.1リバウンド2.9アシスト1.1スティールを記録し、6月14日に2024-25シーズンの契約継続がクラブから発表された。 自らの持ち味を“力強いドライブと3ポイントシュート”と自負する男は、ドライブからショットまで持ち込み、パスも器用にさばくことができ、そのサイズを駆使した滑らかな動きからスティールやブロックも決めるオールラウンダー。 ペイントエリアから繰り出すターンアラウンドジャンパーはスムースで、重要な場面でショットを決めたり、強烈なダンクをお見舞いした後に見せる咆哮でもチームの士気を高めている。 柔らかいタッチから放たれる3ポイントはレギュラーシーズンに成功率38.3パーセントで平均2.0本も成功。コーナーからは左右どちらも40.0パーセント超えで、左ウイングでも42.2パーセントの高精度を誇る。
■2015年に代表デビュー、シューターとしてOQTで存在感
そんなメインデルは、2015年の「FIBA アメリカップ」でブラジル代表のシニアチームとして国際大会へ初出場。予選を勝ち抜いて昨年ワールドカップデビューを飾った31歳のフォワードは、5試合の出場で平均7.4得点4.2リバウンド1.2アシストこそ残すも、ブラジルは大会13位に終わり、パリオリンピック出場権獲得をかけた世界最終予選(OQT)へ臨むことに。 今月3日(現地時間2日)にラトビア会場で幕を開けたOQT。ブラジルはラトビア代表との決勝を94-69でモノにし、2016年のリオデジャネイロ大会以来、2大会ぶりのオリンピック出場を決めた。 この試合でブラジルはブルーノ・カボクロがゲームハイの21得点に4リバウンド2ブロック、メインデルが4本の長距離砲をリングへ沈めて20得点に9リバウンド2スティールの大暴れを見せた。 メインデルはOQTの4試合で平均14.0得点5.5リバウンド1.8アシスト1.3スティールに3ポイント成功率52.6パーセントで平均2.5本を沈める大活躍を見せ、チームメートのカボクロとともにOQTラトビア会場のオールスター5(ベスト5)にも名を連ねている。 パリオリンピックのブラジル代表にはカボクロ、ハウル・ネト、マルセロ・ウェルタス、クリスティアーノ・フェリシオといったNBA経験のある選手たち、さらには現在ゴールデンステイト・ウォリアーズに所属するギー・サントスもロスター入りしている。 ただ、メインデルはチームトップかつラトビア開催のOQTで最多タイの10本もの3ポイントを沈めてきただけに要警戒だろう。昨年のW杯に続いてオリンピック出場も決めた男は、OQT終了後にこう口にしていた。 「父さんはバスケットボール選手で、オリンピックの試合へ出場することが彼の夢だった。僕は自分だけなくて彼、そして家族の夢を叶えたんだ。もうこれ以上ないくらい幸せな気分さ」 FIBAランキング12位のブラジルは、パリオリンピックの予選ラウンドでグループBに入っている。ドイツ代表(同3位)、フランス代表(同9位)、日本代表(同26位)と決勝トーナメント進出をかけて競い合っていく。 8月2日の日本戦で、メインデルがA東京で一緒にプレーするテーブス海とコート上で競演する瞬間があるかも気になるところ。そして夏の祭典で、ブラジル代表のシューターがどんなパフォーマンスを見せてくれるかも必見だ。
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