ついに倒産連鎖が始まった…危険度が高い5つの業種「特にヤバイのは建設業と…」景気後退のシグナル
連鎖倒産リスク高いのは…ワースト5!
かつて連鎖倒産といえば、手形が落ちない、というのが典型的なパターンでした。既に手形の利用は大幅に減少しているものの、手形を多く利用する業界はその仕組み上、連鎖倒産が発生しやすい状態に変わりはありません。 東京商工リサーチの調べでは(参考:https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198464_1527.html)、2023年時点で手形の利用が多い業界のベスト5は以下となっています。 1位 卸売業 2位 製造業 3位 農林魚・鉱業 4位 建設業 5位 運輸業 このうち、2位製造業は内容が多岐に渡り対象が広すぎます。また3位の特に農林漁業は個人事業の色彩も強い業界です。よって、特に手形取引による連鎖倒産に注意すべきは1位卸売業、4位建設業、5位運輸業となります。
人手不足倒産のリスクもある建設業と運輸業はより注意が必要に
手形の取り扱いが多い、というのは主に資金繰りの問題です。更に建設業、運輸業は少子高齢社会を迎え、人手不足の問題にも直面しています。両業界ともに従業員の賃上げなどを目的に働き方改革も行われており、少ない人数でのやりくりを余儀なくされています。その結果、建設業や運輸業では人手不足倒産が増加中です。 近年の国内の倒産はこれまでの資金繰り倒産に加えて、人手不足倒産も増えています。手形の存在による資金繰りリスクに加え、人材不足リスクもある建設業と運輸業は、今後景気が悪化すれば、これまで以上に連鎖倒産リスクに直面する可能性があります。建設業と運輸業は、近年増加している人手不足倒産を契機とする、連鎖倒産発生への警戒が必要ではないでしょうか。
石井僚一