メルセデス・ベンツが快適でBMWがスポーティ? 最新 Eクラス vs 5シリーズ プラグインHVを比較試乗(2)
爽快な加速力 乗り心地はE 300eが有利
メルセデス・ベンツE 300eも、BMW 530eも、道幅の狭いワインディングを除けば、能力の高さを享受できる。530eは引き締まった姿勢制御で、E 300eよりひと回り大きいボディを巧みに補っている。 【写真】最新 メルセデス・ベンツEクラスとBMW 5シリーズのプラグインHV バッテリーEVのEQEとi5も (120枚) アクセルペダルの角度に対し、積極的に電気アシストが加えられ、爽快な加速を引き出しやすい。2.0L 4気筒ガソリンターボを、レッドラインまで引っ張る必要性は低い。 特徴では、従来の6気筒ユニットに届かないことも事実。サウンドチューニングと、スピーカーから発せられる人工音で、音響的には滑らかで聴き応えがあるとしても。 乗り心地は、E 300eが有利。アダプティブダンパーが組まれるBMW 550eは優しく路面の不整をいなすものの、可変しないMスポーツ・サスペンションが支える530eは、路面の凹凸を拾いがち。振動は良く減衰されているが、高速道路でも少し落ち着かない。 E 300eは、荒れたアスファルトでは若干硬すぎる印象があるとはいえ、高速道路では穏やかに転じ、長距離移動も疲れ知らずだろう。もっとも、ブランドとしての方向性の違いともいえ、乗り手の受け止め方で評価は変わりそうだが。
扱いやすいMBUX コスト削減が見える530e
インテリアは、例によってタッチモニターが評価の中心といえる。パワーシートやデジタル化などは、当然のものとなった。 BMWとメルセデス・ベンツでアプローチは異なり、530eはロータリーコントローラーとショートカットキーを残した、iドライブ・システムを継承。ほぼタッチモニターへ集約された、E 300eより運転中は操作しやすく思えるだろう。 ところが、メニュー構造が深く複雑。特定の項目へ辿り着くまでに、多くの入力が求められる。ロータリーコントローラーには触覚的なフィードバックがなく、結局はタッチモニターを見る必要もある。トリップコンピューターのリセットも、簡単ではない。 メルセデス・ベンツのMBUXシステムは、主要な機能を2回のタップで操作できる。筆者は、こちらの方が扱いやすいと感じた。高級車にとって、走行中にイライラさせないというのは重要な品質の1つだと思う。 内装の素材は、明らかにE 300eの方が上だろう。530eもこだわりを感じるが、例えばスピーカーのグリルは、前者がレーザーカットされた金属なのに対し、後者はプラスティック製と違いがわかりやすい。 パワーウインドウ・スイッチは飾り気がなく、ダッシュボードやセンターコンソールは、グロスブラックとクリアのプラスチックが目立つ。シフトセレクターのタッチも今ひとつ。BMWによるコスト削減が、現れているといっていい。 E 300eも、確かにコスト削減の結果はわかる。だがインテリアには統一感があり、心象の低下を最低限に留めている。