「タリバン」対策で協力の機運

　ところが最近になってアフガニスタン政府とパキスタン政府に協力の機運が盛り上がってきました。 　というのはアフガニスタンのガーニー新大統領が、パキスタンとの和解を呼びかけているからです。またパキスタンも自らの国内の過激派組織のタレバン対策に手を焼いているからです。ここでは区別を明確にするためにアフガニスタンのタレバン（タリバン）をアフガン・タレバン、そしてパキスタンのタレバンをパキスタン・タレバン（タリバン）と呼びましょう。両者はタレバンという名前は共通ですが、別組織です。2014年12月中旬にパキスタン北西部の都市ペシャワールで学校を襲撃して数多くの教職員と生徒を虐殺したのはパキスタン・タレバンです。この組織を掃討するにはパキスタンはアフガニスタンの協力が必要です。というわけでアフガニスタンはアフガン・タレバン対策でパキスタンの協力を必要とし、パキスタンは自国のタレバン退治にアフガニスタンの協力を求めるようになりました。 　この機運を捉えて、両国が歴史的な不信感を乗り越えて協力できるかどうかに、アフガニスタンの、そしてパキスタンの治安の安定がかかっています。