58歳独身で年収300万円ですが、貯金が「200万円」しかありません…老後を乗り切るにはどうすればよいでしょうか?
定年後も、再雇用として働きたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。内閣府の「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査」では、84.5%の人(「働けるうちはいつまでも」の回答を含む)が、65歳くらいまで、またはそれ以上になっても、収入を伴う仕事をしたいと考えていることが分かりました。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算 老後は2000万円ほどの資金が必要といわれるなかで、定年後の収入減は大きな不安の要素となるでしょう。そこで今回は、老後に必要な生活費を確認しながら、今までの年収を維持した働き方を実現する方法をご紹介します。
老後に必要な生活費
自分たちの老後にいくら必要なのかを考えるうえで大切なことは、老後の生活にいくらお金がかかるのかを知ることです。総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の世帯における平均支出(月額)は、表1の通りです。 表1
※総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」を基に筆者作成 定年退職後の65歳以上無職世帯では、夫婦世帯で約27万円、単身世帯で約16万の出費が毎月かかります。上記の数字はあくまで平均値ですので、ライフスタイルによって、支出は多少変動するでしょう。毎月の支出を抑えるには、保険や税金などの非消費支出ではなく、食費や娯楽費などの消費支出を減らす必要があります。 単身世帯の場合、年間の支出が186万5940円ですので、貯蓄200万円だと、1年ほどしか生活できません。ただし65歳になると年金を受給できたり退職金として大きなお金が手に入ったりするため、その分を生活費に充てられるでしょう。 同資料によると、年金を含む社会保障給付の平均額は、夫婦のみ無職世帯で「22万418円」、単身無職世帯で「12万1496円」とのことです。表1の支出を見てみると、年金だけでは生活費をまかなえないことが分かります。 このことから、定年退職後は働かないのであれば、十分な資金を用意しておく必要があるといえるでしょう。