希望の党は失速、樽床代表代行「風を維持できる体力なかった」
希望の党の樽床伸二代表代行と結党メンバーの細野豪志元環境相は22日、東京都内のホテルで報道各社のインタビューに応じ、獲得議席数が伸び悩むとの報道に「非常に厳しい結果となった」と肩を落とした。1か月前の結党時に「政権選択選挙」を掲げた勢いは失われ、挽回できなかった。小池百合子代表は、都知事としての公務のため、パリに滞在中という状況の中、開票センターは重苦しい空気に包まれた。
細野氏「自民に替わる改革保守政党は必要」
午後8時前に樽床代表代行と細野氏が開票センターに姿を見せ、テレビの開票速報を見守った。希望の党は政権交代も視野に235人の候補者を擁立したが、開票直後、会場に設けられたボードに当確を示す緑のバラはほとんどついていなかった。 樽床代表代行は、開票速報で大敗が報じられたことに対し、「一時、非常に大きな風が起きたが、われわれは中小企業で始めたので、その風をしっかり維持できる体力がなかった」「排除という表現が非常にきつかったというご批判は選挙中から頂いた。政策の一致が政党には必要であるという純粋な思いのなかでの発言だったが、言葉ひとつで風が変わった。風を受け切れなかった。反省しなければいけないと思う」などと述べた。 パリ滞在中の小池代表が取材に対し、「完敗」という表現を使ったことについては「率直なご意見を素直におっしゃった。潔い言葉だなと思った」と話していた。 一方、細野元環境相は排除発言について「政策的には一致が見られなかったことを含めて、党のあり方としては正しかったと思う」と発言。敗因には、排除発言以外に「いかに地元活動を継続しているかということが、いざというときにはものを言う。非常に大きな風が吹いた場合、地元活動が求められない場合もあるが、今回は結果として地元活動が十分でなかった新人の方々は非常に厳しい戦いになった」分析した。 結果は「非常に厳しい」としながらも、「8月に一人で党を出て多くの人に支えられてここまできたということに感慨深いという思いはある。もし、民進党の全員を受け入れていたら新しい党を作った意味がない。自民党に替わる、改革保守政党は必要だ。存在意義が失われることはない。確かに厳しい船出だがまずは一歩踏み出した。これからみなさんの期待に応えられるように頑張りたい」などと述べた。 午後11時半すぎに行われた記者会見では、党の人事や臨時国会での首班指名をどうするかなどについて言及。樽床代表代行は「小池代表が帰国した25日に、両院懇談会をするので、みなで相談したい」と説明。細野元環境相も「新しく出発した政党なので、できるだけ丁寧にやりたいということ」などと述べ、慎重な姿勢を示していた。