ハーレーダビッドソンと過ごした南アフリカ【3】
「南アフリカで野生動物を見るなら、どこへ行けばいい?」。この質問に返ってくる答えは、すべて「クルーガー国立公園に行け」だった。「クルーガー国立公園にはライオンやゾウやキリンがいて、動物達に会えるよ」と誰しもが言う。しかし、そのクルーガー国立公園のサファリツアーでは、ライオン、バッファローという『ビッグ5』のうちの“2頭”に出会えず。さらにナイトツアーのため、目を凝らさないと見つけられないほど、難易度も高い。アフリカ大陸と言っても、野生動物に遭遇するのは、運が良くないとダメなのか、と思っていた。 しかし、そのイメージをいとも簡単に払拭させてくれる出来事があった。南アフリカを縦断する今回のツアー、3日目に訪れた『シャヤモヤ』。獰猛な魚、タイガーフィッシュの『ゲームフィッシング』で有名なダムがある場所だ。もちろん、ここではフィッシングにも挑戦したが釣果はさっぱり。ただ、ここでの収穫は魚ではなく野生動物だった。フィッシングに向かう道中、道路のすぐそばにキリンが現れる。しかもナイトサファリと違い、視界のすっきりした朝、遭遇できたのは、アフリカ大陸の壮大さを感じさせてくれた。キリンだけでなく、シマウマなど、さまざまな野生動物たちが不意に現れてくれる。「ライオンはクルーガー国立公園に行かなきゃ会えない」(現地関係者)とのことだが、予期せぬ出会いはサファリツアーさながらの興奮をよみがえらせてくれ。
ヨハネスブルグを出発して、クルーガー国立公園、そしてスワジランドを経てシャヤモヤまで。走行距離は約1000キロ。標高2000メートル級の山道もあり、舗装状況が“荒れた道”もあり、野生動物との出会いありの旅は、なかなか見どころが満載だ。この日、向かう目的地は、これまでと少し雰囲気が異なる。南アフリカ第三の都市(一説によるとヨハネスブルグ、プレトリア、ケープタウンに次ぐ第四の都市)、ダーバン。まず、ダーバンについて紹介すると、栄えた都市だけあって、犯罪も多いという。スワジランドやクルーガー国立公園では、注意を受けることはなかったが、ここでは「街の中心部は非常にデンジャラスだ。もし、出かけることがあるなら、気をつけた方がいい」と、口酸っぱく指示されたのが印象的だった。 他にも特徴は多い。この街の名産物は、なんとカレー。「南アフリカでなぜカレーが?」と思ったが、その理由は明快だった。実はインドを除いた、世界で最もインド人の住む街がダーバンだという。そのため、ここで好まれている食事は『カレー』だそうだ。ホテルでも様々な種類のカレーが振る舞われており、文化の浸透ぶりがよくわかる。また、美しい海岸とインド洋の高くて強い波も有名だ。ここでは、世界的なサーフィンのイベントが開催されるほどでサーファーにとっては憧れの地だという。