『相棒』史上最も右京が追い込まれた…ドラマ『相棒 season23』第4話。命を救ったのはまさかの?
毎週水曜夜9時より放送中のドラマ『相棒 season23』(テレビ朝日系)。国民的人気を誇るご長寿刑事ドラマの“黄金コンビ” が帰ってきた! 杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が、共に事件を追う。さっそく、第4話の内容を振り返っていこう。(文・Naoki)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】『相棒』史上最も右京が死にかけた神回…。貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『相棒 season23』劇中カット一覧
“2つの顔”を持つキノコ
加納達夫「そんな事未来の地球が許さねぇよ」 まるで特撮ヒーローのような台詞から始まったのは『相棒』S23第4話「2つの顔」だ。脚本家の森下直は刑事ドラマをメインに描き、『相棒』でも10年以上コンスタントに描き続けているベテランだ。 第4話の物語は、プラスチックを分解して土に還す特性を持つ幻のキノコ“ペスタロチオプシス・トニトルス”を密猟した環境保護活動家である加納が殺害され、犯人を探すという内容だ。見所は大きく2つある。 まずは謎のキノコ“ペスタロチオプシス・トニトルス”の正体だ。この早口言葉みたいな名前のキノコは、詳しい生態こそ不明だが、プラスチックと反応して毒の胞子を撒き散らす。また、その毒は代謝が早く、現代医学を以ってしても人体から検知する事はできず、検死を行ってもただの心筋梗塞として診断されてしまう。 つまり“ペスタロチオプシス・トニトルス”は、表向きはプラスチックを分解する地球に優しいキノコだが、実は生物兵器としても転用可能な禁忌のキノコで、サブタイトルにもあるように、“2つの顔”を持っていたのである。 そして犯人の相場はエルドビア共和国からのスパイとして、ペスタロチオプシス・トニトルスを奪う為に加納を殺害したというのが真相だったのだ。
『相棒』史上最も右京が死にかけたエピソード
相場は特命係により逮捕されるも、ペスタロチオプシス・トニトルスの在処は黙秘。ただ繁殖の条件も不明瞭故、既に枯れたという見識が作中で示されているが一抹の不安は拭えない。この後味の悪さは実に『相棒』らしい。 余談だが、エルドビア共和国はシーズン12「ビリーバー」(第1話)では甲斐峯秋が大使館に務めていたり、シーズン14「右京の同級生」(第16話)ではエルドビア国籍の人物が登場するなど特命係との因縁が浅からぬ国でもある。 2つ目の見所は杉下右京の命懸けの捜査である。トニトルスが雷という意味を持つ事から毒性にいち早く気が付いた右京は、鑑識に保管されていたペスタロチオプシス・トニトルスに接触して危うく命を落としかける。 亀山の声で意識と命を繋いだ右京。今まで銃撃や爆発や集団リンチや盲腸などに見舞われてきた右京だが、今回が全シーズンの中で最も死にかけたエピソードだと言っても過言ではない。