新型「ルノー 5」にカーシェアで乗れる、欧州初、V2G対応のEVシェアリング開始
ルノーグループは11月27日、欧州初となるV2G(Vehicle to Grid)対応のカーシェアリングサービスを開始すると発表した。 【画像全2枚】
ルノーグループは、オランダのユトレヒト市、We Drive Solar、MyWheelsと提携。この画期的な取り組みは、持続可能なモビリティの実現と都市の電力網の安定化を目指すものだ。
ユトレヒトは再生可能エネルギーの活用で先進的な欧州の都市の一つであり、すでに住宅などの屋根の35%に太陽光パネルが設置されている。しかし、太陽光や風力発電の大規模な導入により、電力網への負荷が課題となっていた。
この提携により、ユトレヒトに500台のルノーのEVが配備される。当初はルノー『5 E-Tech』が導入され、将来的にはルノー『4 E-Tech』、メガーヌ『E-Tech』、セニック『E-Tech』なども加わる予定だ。これらの車両は、MyWheelsが運営するカーシェアリングサービスを通じて利用可能となる。
最大の特徴は、ルノーグループの新モビリティブランドMobilizeが開発したV2G双方向充電技術の採用だ。この技術により、ユーザーはクリーンエネルギーで車両を充電し、需要が高い時間帯には電力を電網に戻すことができる。これにより、電力コストの削減と電力網の安定化、さらには再生可能エネルギーの統合促進が期待される。
We Drive Solarは高度な双方向充電ソリューションを提供し、ユトレヒトから始まり、新しい双方向公共AC充電器を展開する。MyWheelsは、オランダ最大のカーシェアリング企業として、モビリティとエネルギーソリューションを統合し、現代の都市課題に対応する新しい基準を設定する。
500台の双方向充電可能な車両は、ユトレヒト地域のピーク時間帯における太陽光・風力エネルギーの需給バランス調整に必要な柔軟性の10%を提供できる可能性がある。
この官民パートナーシップは、より持続可能で効率的な都市モビリティソリューションへの移行を推進する力を示している。電気自動車の活用と革新的な充電技術の組み合わせにより、都市の電力インフラと交通システムの両方を最適化する新たな可能性が開かれつつある。
レスポンス 森脇稔