日本で初めての「女性暴力団員」と認定された壮絶半生「男って血を見ると弱い。下手打った組の人間の指、私が数人飛ばしましたよ」
女性はヤクザに向いている
――ヤクザといえばガチガチの男社会ですが、居心地はどうでしたか? まるっと男扱いで、逆に苦労したことはないですね。男っぽい性格だったので、やりやすかったです。髪も短くしていましたし、ケンカのときにスカートだとパンツが見えて格好が悪いので、そもそもズボンばかり。だから抵抗はなかったですね。言葉も男言葉でした。 ふだんはトレーナーにジーンズといった格好でしたが、義理場(事務所の広間)では、黒い背広を着ることもありました。おかげで組員から「宝塚」と呼ばれたりもしました。 ――男社会にいて、何か気づいたことはありますか? みんな会長にペコペコして、自分の意見を言えないっていう。よくないことかもしれませんが、私は思ったことをパッと言っちゃうもんで、おでこにチャカ(拳銃)を突きつけられたこともあります。結局、姐さんが止めてくれて、ことなきを得ましたが……。 あと、男はためらうんですよね。下手して指を詰めることになっても、なかなか覚悟が決まらない。それで経験者の私に落としてくれって回ってきて。結局、下手打った組の人間の指、数人飛ばしましたよ。 ――まこさんも、小指がないですね……。 責任を取らされて落としました。組では覚せい剤は禁止だったんですけど、フタをあけたら、みんなシャブ中なんですよ。商売もしているし。 あるとき、みんながシャブを使っていることが親分にバレました。本部長が親分の怒りを鎮めるために、私だけに「指詰めろ」と言ってきたんです。理不尽にも感じましたが、私がポン中を代表して指を落とし、親分に謝罪する形で収まりました。 当時は「ヤクザなんだから、指が全部あっては格好がつかない」とも思ってもいたので、後悔はしていません。 ――想像するだけで痛いですが、どうやって落としたのですか? 自分で日本刀を使い、切り落としました。1刀目では斜めに切れ、指がぶら下がってしまい、ガンガン切り直していたら、第1関節を超え第2関節までいってしまいました。やりすぎました。小指がやけに短いので、まわりから「2回も下手打ったんか」とよく聞かれましたよ(笑)。