インフルエンザが流行目前 A型・B型・C型・新型って何?
今年もインフルエンザのシーズンがやってきましたね。季節性インフルエンザは、毎年12月頃からウイルスに感染する人が増えはじめ、1月から3月にかけて本格的に流行します。突然38度以上の高熱が出て、頭痛、関節痛、筋肉痛といった症状があらわれる…、そんな辛いインフルエンザから身を守るには、どうすればいいのでしょうか。インフルエンザの基礎知識と予防法、治療法を紹介します。
流行するのは主にA型とB型
インフルエンザを引き起こすインフルエンザウイルスは、大きくA型、B型、C型の3つに分類できます。人と人との間で流行するのは、主にA型とB型です。とくにA型は鳥や豚にも感染し、144種類と非常に多様なタイプがあります。 冬場になると周期的に流行するインフルエンザは、「季節性インフルエンザ」と呼ばれています。なぜ、毎年真冬になるとインフルエンザが流行するのでしょうか。冬場になると空気が乾燥し、それに伴い口内の粘膜も乾いてウイルスにさらされやすくなります。また、気温の低下とともに、人体の免疫機能も低下するため、インフルエンザにかかる人が増えるのです。
近年「新型」の懸念も
季節性インフルエンザのほかに、「新型インフルエンザ」も近年メディアを騒がせています。新型インフルエンザをもたらすウイルスは、もともとは鳥や豚などに感染するA型ウイルスが、人から人へと効率的に移りやすくなるように変異したものといわれています。季節性インフルエンザに対しては免疫を持っている人も多いのですが、新型にはほとんどの人が免疫を持っていないため、またたく間に流行する危険性があります。 一口に新型インフルエンザといっても、さまざまなタイプがあります。たとえば2009年に流行した新型インフルエンザは、過去に大流行した「Aソ連型」や「スペインかぜ」と共通する部分が多いH1N1型であることから高齢者を中心に免疫のある人も多く、また広い地域に流行したことで多くの人々が免疫を獲得したため、現在は季節性という扱いになっています。 2003年以降にエジプトや中国などで感染者を増やし、60%という高い死亡率で恐れられた強毒性のH5N1型の新型インフルエンザは、プレパンデミックワクチン(世界的に大流行する前の接種を想定したワクチン)が備蓄されています。また2013年の春には、H7N9型の新型インフルエンザが報告され、中国や台湾で感染者数が増えています。日本国内においてはまだ人からも動物からも確認されていませんが、ウイルスが変異すると大流行することも考えられるため、厚生労働省が対策を進めています。