『クイズとは殺し合いだ』より

　熱量を持った人たちが何かを本気で競っていれば、殴ったり蹴ったりしていなくてもそれは間違いなく「バトル」だ。5月4日にXで公開されたオリジナル漫画『クイズとは殺し合いだ』は、クイズという戦場でしのぎを削る2人の女性を描いたエキサイティングな内容になっている。 天然系アイドルとクイズ女王、なぜ“激しいバトル”が勃発？　漫画『クイズとは殺し合いだ』 　天然キャラとしてクイズ番組で人気を集めているアイドル・海藤天希は、クイズ女王として圧倒的な地位を築いている光明院智弦を強く意識している。というのも、かつて2人はクイズ高校選手権の県予選で戦い、天希は接戦の末に敗北した過去を持つからだ。光明院もそのことを覚えており、海藤の今の姿にどこか納得いっていない様子を見せる――。 　作者の志真さん（@suzusima）は思いついたネタやシナリオはPCのメモ帳に書き溜めることを習慣にしており、その中から「良いぞ」と思ったものを漫画にしているという。そんな中で制作された本作について話を聞いた。（望月悠木） ■クイズを作るのも好き ――まずクイズをメインに据えた背景を教えてください。 志真：自分がクイズ好きなのと、「クイズジャンルでの漫画を描いたことがないな」と思って描いてみることにしました。 ――そこにバトル要素を追加したのは？ 志真：「クイズが得意な人たちが、全力でクイズバトルをするのが熱くて良い！面白い！」と思っています。ゆるいクイズ番組などもありますが、「そういう番組で唐突に激熱な戦いをする人たちがいたらすっげー面白いな……」と考えていたことが影響しています。 ――海藤と光明院はどのようにして作り上げましたか？ 志真：海藤は「アイドルっぽい娘だし、ツインテールとリボンかな？　名前もアイドルっぽい感じで」、光明院は「頭が良さそうな娘だしメガネか？　名前も頭良さそうな感じで」みたいに頭の悪そうな考え方で誕生しました。 ――「ブック破り」「巌流島」など、バトルの展開に合わせたクイズが出題される流れが面白かったです。 志真：自分はクイズを作るのも好きなので、「シナリオに合わせてこういうクイズが良いかな～」と考えて作中のクイズを作っていきました。 ――宿敵と仲良くなるラストもバトル漫画っぽくて好きでした。 志真：実は別パターンとして、「カフェで会ってカフェに関するクイズを出し合って熱くなる」みたいな展開も考えていました。ただ、長くなってしまうことを懸念して、「綺麗に終わるほうが良いかな」と考えてこのラストにしました。 ――2人がクイズを答え合う際のバトル漫画さながらの熱量でした。疾走感や臨場感を出すために意識したことは？ 志真：正直やってることは“座ってボタンを押してるだけ”です。ですので、鼻血を出したりなどしてスピード感や勢いを出し、バトルらしさを演出しました。 ――今後の漫画制作における活動を教えてください。 志真：今後もXやPixiv、ニコニコ漫画などで漫画を投稿していきます。『クイズとは殺し合いだ』同様に、Amazon Kindleで無料配信している作品もあるので、読んでもらえると嬉しいです。また、「自分の作品を20億人くらいには読んでほしい」という野心もありますので、面白かった作品は広めてくれるとありがたいです！