厳戒下中日入団決定の松坂大輔は本当に復活できるのか?
ただ松坂には順調にステップアップしていた時期もあった。ストレートの最速は140キロ中盤程度だったが、カット、スライダー、ツーシーム、チェンジアップという変化球を駆使した「ボールを動かす」という新しいピッチングスタイルに取り組み、昨年3月25日のオープン戦の広島戦では、7回102球を投げてノーヒットの2四球6三振の快投を見せたことがある。全盛期の松坂とはまるで違う姿だったが、彼が描く復活像の基本線は、ここにあるのだろう。 池田親興さんも、「昨年のオープン戦の広島戦で見せた新しい松坂の姿を続けて見せることができれば、そこに活路は見えるのかもしれません」という。 「あの試合では制球に安定感があり特にチェンジアップが有効でした。ここから2段階、3段階と上がっていくと楽しみだな、と思っていましたが、次の段階へ行く前に異常が発生して投げることができなくなってしまった。もったいないなという感想を抱いたことを覚えています。あの試合の松坂を最低ラインに、そこから積み上げることができれば、可能性はあるでしょう。中日は先発が手薄です。故障することなく結果を残し開幕を迎えることができるのなら、ある程度、登板間隔をあけながら先発起用する考えだとも想像できます」 ダメなら引退。文字通りラストチャンスにかける松坂の復活ストーリーには、感動のハッピーエンドが待っているのだろうか。松坂は28日に沖縄入りして2月1日からの沖縄北谷での1軍キャンプに備える。