「岸辺露伴は動かない」密漁海岸クライマックスで流れる謡は?
高橋は同会見で「今回の主役はトニオ」だと言い、トニオを演じた俳優、モデルの Alfredo Chiarenza について「アルフレッドはすごく実直で真面目で役に取り組んでくださっていて、現場で初めてお会いした時には会った瞬間トニオだと思いました」と絶賛。「説得力のある形で現場に行き、日本語も完璧にこなしてくださっていましたし、お芝居も目線の交わし合いなどでしっかりとちゃんと受けてくださって、 とても安心しながらお芝居ができたんじゃないかなと思っています。海のシーンでは、本当に溺れるんじゃないかっていうギリギリまで、突っ伏した状態で浮いていましたけど、何度も撮影をしなくちゃいけない中で真面目に取り組んでくださって、とても作品のグレードを上げてくださっている。トニオのキャラクターにはアルフレッドの人柄も、きっとにじんでいるんじゃないかなと思います」と話していた。
原作エピソードには登場しない泉は、寝不足のうえに虫歯で弱っている設定で登場。レストランで不思議な水を飲んで大量の涙を流すシーンは特殊メイクで表現されたという。飯豊は「最初は本当に泣かなきゃいけないのかなって覚悟していたんですけど、さすがにそんな量は……(笑)。特殊メイクでああいう風に水を受けていたんですけど、溺れてしまうかと思うぐらいで(笑)」と振り返っていた。
クライマックスで流れる謡は、能の演目「阿漕(あこぎ)」をアレンジしたもの。渡辺監督は「歌詞自体も(漁師)が(禁漁区)で漁をしてひどいめにあってしまうというもので、音楽の菊地成孔さんがアレンジして作って下さいました。露伴が墓場に着いた時に流れるのは法華経です」と会見で説明していた。
ちなみに、冒頭は中村まこと&増田朋弥演じる“おなじみの2人”と露伴のやりとりからスタート。ドラマの1期「富豪村」では泥棒、2期「ザ・ラン」では不動産屋、3期「ホットサマー・マーサ」では広告マンだったが、今回は密漁者の設定。モクズガニをスケッチするため前夜から身を潜めていたという露伴の邪魔をして怒りをかう展開となり、「ホントこの導入好き」「安定の2人」「この2人も懲りないよなw」と相変わらずの人気を博していた。(編集部・石井百合子)
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