「たとえ研究者向けでも絶版ゲームのプロテクトを外してオンラインでアクセスさせるのはダメ」ゲーム歴史保存団体からの規制緩和要望却下に―米国
“絶版”になっているゲームへのリモートアクセス
ビデオゲームの歴史を収集・保存する団体であるVGHFは、アメリカ合衆国著作権局がDMCA免除の要請を却下したことに対して抗議のコメントを発表。これはSoftware Preservation Network(SPN)による要請をVGHFが3年間にわたってサポートしていたもので、図書館などが保存している絶版ゲームへ研究者がリモートアクセスするためにコピーガードを解除できるようにするという目的で、アメリカ合衆国のデジタルコンテンツに関する著作権法であるDMCAの新たな免除を求めていました。
著作権局の決定に対してVGHFは「失望した」としていますが、「この過程を経たことに後悔はない」とも記しています。その理由として請願への取り組みの中で調査が進んだとしており、2023年7月に公開したアメリカ合衆国においてレトロゲームの87%が入手可能性の面で危機に瀕しているとするレポートを挙げています。
また権利保有者の団体によるロビー活動が進歩を妨げたとし、Entertainment Software Association(ESA)が研究目的でのリモートアクセスに反対していたことを非難しています。
海外メディアの反応は…
VGHFの声明を複数の海外メディアが伝えています。GamesRadar+は本件を「ゲーム保存を支援するための3年間の戦いが、本日悲しい結末を迎えました」として報じ、ESAなどが主張する娯楽目的で利用されるリスクに「図書館ではすでに娯楽目的としか言い様のない形で本や映画といった従来メディアを一般に貸し出しているという事実を無視している」と反論しています。
またPC Gamerではどちらか一方の主張を強く支持してはいませんが、DMCAの免除規定は3年ごとに更新されるとして、VGHFにとって将来的な望みはあるとしています。
Game*Spark いわし