【福岡ボート・GⅢマスターズリーグ】石川真二 悪い流れを断ち切る
<29日・福岡ボート・4日目> 土俵際で踏ん張った。石川真二(54)=福岡=は予選突破へ3着条件で迎えた9Rで、道中はいったん4番手に置かれるピンチ。しかし2周1Mでこん身の差しハンドルを入れて、先行する品田直樹を逆転。何とかノルマの3着を奪い、準優に名を連ねてみせた。 序盤は苦しんだが、勝負どころに来て機力には手応えを得ている。「3日目にクランクシャフトを換えてから、足は確実に良くなっている。こんな成績を取る足じゃない」。生命線の出足や行き足は十分なレベルで、代名詞のピット離れも備わりつつある。「ピット離れも最初よりだいぶ良くなっている。でももっと出るようにしたい」。一発勝負の準優に向けて、しっかり牙は研いでいる。 今期(5月~)の勝率は6.73(29日現在)。6.26とギリギリでA1を確保した前期(昨年11月~今年4月)と違ってA1残留は確定的。ただ、本人の満足度は低い。「優出の回数が少ないよね(今期は17節で4優出)。勝率は取れたけど、ずっと何かリズムに乗り切れていない。今節もいいレースができていない」 何が原因かは分かっている。「Sだよね。(前々期のF2から)Sのやり方を変えて、平均Sは0.14で変わらずに、安定してそろえられるようになった。でも、その代わりにここ一番で早いSが行けていない」。前々期にA2へ降格した要因となったF禍は繰り返せない。ただ、これ以上準優で辛酸をなめるわけにはいかない。「悪い流れを断ち切りたい。Sも気合を入れて行くよ」。地元A1の大将格としての意地はもちろん、来期に完全復活を果たすためにも、課題のSを克服して最終決戦に駒を進める。(森 大輔)