瀬戸大橋でマリンライナー立ち往生、6時間閉じ込めで乗客「何が起きているかわからず不安だった」
架線は切れ、パンタグラフは全て損傷
10日午前7時40分頃、JR瀬戸大橋線上りの瀬戸大橋上で、高松発岡山行き快速「マリンライナー10号」(7両編成)が、架線の切断で停車し、立ち往生した。乗客約150人が最大約6時間車内に閉じ込められたが、けが人や体調不良を訴えた人はいないという。 【写真】快速が立ち往生した瀬戸大橋の全景
JR四国は同日午後1時頃、用意した列車を快速に横付けして乗客を移し、約50分後に岡山方面に向けて出発。快速は別の列車で引っ張り、約4キロ先の児島駅に収容した。この影響で、瀬戸大橋線は高松―児島間で上下線とも運休し、同日午後8時4分に運行を再開した。
同社によると、瀬戸大橋上で架線が切れ、垂れ下がっているのを確認。快速はパンタグラフ3基が全て損傷し、自力走行できない状態だった。架線は検査車両を使って9月26日に点検作業を行い、今月5、6日にも目視で確認したが、異常はなかったという。
高松市内で10日に記者会見した同社の長戸正二・鉄道事業本部長は「お客様に大変ご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる」と謝罪した。原因については、パンタグラフとの接触で架線が切れたか、架線自体に不具合があった可能性があるという。
岡山県津山市で行われるサッカー部の試合に出るため、快速に乗っていた高松市の高校1年の男子生徒(15)は、岡山駅で取材に応じた。快速は「ドン」という音と衝撃の後、「急停車します」というアナウンスがあり、ゆっくり止まったという。
男子生徒は「『列車から煙が出ている』とも聞いた。乗客は座って待っていたが、何が起きているのかわからず不安だった」と振り返った。試合には出られなくなったといい、「帰りは親に車で迎えに来てもらう」と、疲れた様子で話した。