ドイツの母はグアンタナモから無実の息子を取り戻せるか?「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」
グアンタナモ収容所に拘束された無実の息子を救うため、ドイツの母親が闘った実話を映画化。第72回ベルリン国際映画祭で2つの銀熊賞(主演俳優賞・脚本賞)、2022年ドイツ映画賞で作品賞〈銀賞〉・主演女優賞・助演男優賞を受賞した「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」が、5月3日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほかで全国順次公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」予告編 2001年9月11日のアメリカ同時多発テロからひと月後。ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民のクルナス一家の長男ムラートが、旅先のパキスタンでタリバンの嫌疑をかけられ、キューバのグアンタナモ湾にある米軍基地の収容所に送られてしまう。 母のラビエは息子を救おうと奔走するが、警察も行政も動かず、電話帳で見つけた人権派弁護士ベルンハルト・ドッケのもとへ。そして彼のアドバイスにより、アメリカ合衆国最高裁判所でブッシュ大統領を相手に訴訟を起こすことに……。
監督は「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」(18)のアンドレアス・ドレーゼン。裁判のないまま5年も収監されたムラート・クルナスの著書を読み、憤りを覚えて映画化を思い立つが、あまりの悲惨さに二の足を踏んでいた。 そんな中で出会ったのが、ムラートの母ラビエ・クルナスだった。その一癖も二癖もある天真爛漫なキャラクターに魅せられ、作品の方向性が決定。アメリカでミュージカル俳優として活動したのちドイツで人気コメディアンに上り詰めたメルテム・カプタンを主演に迎え、シリアスなテーマながらコメディタッチの快作に仕立て上げた。 カプタンの演技については「エリン・ブロコビッチ風のずうずうしさを盛り込んだ好感の持てる主役」(DEADLINE)、「絶妙な間合いと温かさを役にもたらした真の秘密兵器メルテム・カプタン」(The Hollywood Reporter)といった賛辞が寄せられている。明るい母と冷静な弁護士のコンビによる闘いを見守りたい。