どうしても行きたいライブがあります。昼休みを仕事に当てれば、その分早く帰れるでしょうか……?
どうしても行きたいライブがあれば、仕事を一刻も早く終わらせたいと思うのは当然です。ただ、会社員は自分の裁量で働く時間を調整できるわけではありません。 「昼休みを仕事に当てて、その分だけ早く退社」というのは当人にとって都合のよいアイデアですが、このような方法は実現可能なのでしょうか。本記事ではその可能性と、実現が難しい場合の対策について解説します。
労働時間と休憩時間について知っておこう
出勤から退勤までの時間を「拘束時間」といいます。拘束時間を構成するのは労働時間と休憩時間です。労働時間は、所定労働時間と所定外労働時間に分けられます。 ■所定労働時間と所定外労働時間 労働基準法が定める労働時間は、1日8時間、1週40時間です。会社は、この労働時間内で社員の所定労働時間を自由に決められますが、原則労働時間を超えて働かせることはできません。 ただし、労使協定で時間外・休日労働について定めたうえで行政に届け出た場合は、時間外労働(残業)が可能になります。労働基準法で定められた時間外労働時間は、月45時間・年360時間までです。 ■休憩時間 労働基準法では休憩時間を保障しています。労働時間が8時間を超える場合は、1時間以上の休憩時間が必要です。労働時間には休憩時間は含まれないため、原則休憩時間分の賃金は支払われません。 ただし、休憩時間に電話対応に就いていたり、会議の開始や資材などの到着を待っていたりした場合は、その分の賃金が支払われる可能性があります。
昼休みを仕事に当てることは可能か
労働者は会社が定めた所定労働時間を守る義務があります。そのため、原則自分の裁量で所定労働時間より早く退社することはできません。では、昼休みを所定労働時間に充てることは可能なのでしょうか。 ◆まずは就業規則を確認 昼休みを所定労働時間に充てるためには、まず就業規則を確認する必要があります。就業規則には、始業と終業の時間、休暇・休日、賃金といった、会社と社員が守るべきルールが定められています。 ◆就業規則に記載があれば可能 就業規則に記載があれば、昼休みを所定労働時間に充てることは可能です。一方、そのような記載がなければ、自分の裁量で昼休みを所定労働時間に充てて、その時間の分だけ早く退社することはできません。就業規則に違反した場合は懲戒処分の対象になる可能性があるため注意が必要です。