「中学受験不合格」のわが子に親が気をつけること 想定外の中学校を選ぶリスクと公立中の注意点
不合格が判明した瞬間、負の感情はシャットアウト
合格者より不合格者の方がずっと多い中学受験。進学塾の華々しい合格実績の裏には、それ以上に大勢の不合格者がいる。いくらその事実を知ったうえで受験に臨んでいても、いざ不合格に直面すると親子ともに悔しさや失望感が広がるものだ。これまで、早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsで授業に携わってきた教育・受験指導専門家の西村創氏が、中学受験不合格の結果に親はどう向き合い、わが子をサポートするべきか解説する。 【画像】「中学受験を経験して公立中学に進学する注意点」を語る、教育・受験指導専門家の西村創氏 【不合格を知ったその瞬間の心の動きとは】 震える指先で合格発表のページの更新ボタンをタップ、画面上に並んだ受験番号。いくら見直してもわが子の受験番号がないと悟ったとき、強いショックに襲われることでしょう。このショックの正体は「わが子が受験に落ちた」という厳然たる事実に直面した驚きと、「わが子の努力が報われてほしい」という願いが裏切られたという失望感です。 不合格を知ってショックを感じるのは人間の感情として正常な反応です。しかしながら、もし合格発表をお子さんと一緒に確認するのであれば、そのショックをお子さんに感じ取られないようにしたいものです。不合格で最もショックを受けているのはお子さんのはずなのに、隣でショックを受けている親を見てしまったら、さらに落ち込んでしまうからです。 【不合格になった子にとるべき対応】 私は、生徒が不合格の報告をしに塾に来たら空き教室に連れていき、まずは報告に来てくれたことへの感謝を伝えていました。そして、これまでの受験勉強への取り組みを労います。その後は、こちらからあれこれ話すよりも、生徒の様子をうかがい、気持ちを受け止めて、聞き役に徹します。一通り生徒の話を聞いて、気持ちが落ち着いてきたら「これからどうするか」を一緒に考えるようにしてきました。 中学受験が人生の一大イベントであることは間違いありません。でも、12歳はまだまだ人生の入り口です。中学受験の結果は人生を決定づけるほどではありません。とはいえ、やはりショックを隠せない、親は気丈に振る舞っていてもわが子は落ち込む一方、ということもあるでしょう。そんなときは、通っていた塾やこれまで見てもらっていた家庭教師に頼ることです。先生たちは教え子の不合格に向き合ってきた経験があります。先生を交えた三者面談でお子さんの気持ちを前向きにしてもらいましょう。