厚生年金保険の月額平均は約14万円!ただしここから「天引きされるお金」がある?老齢年金から天引きされる4つのお金を解説
10月支給分で年金の手取りが変わった人も
年金からの天引き額は、年度中ずっと同じ金額とは限りません。 年度途中で変わることもあります。 例を挙げると、7月に決定される介護保険料。 年度初めの4月にはその年度の金額が未定のため「仮徴収」として前回までと同額が天引きされます。また、8月も同様に仮徴収を行い、10月から新しい金額の天引きが始まる(=本徴収)自治体もあります。 このように、年度途中で年金からの手取り額が変わるケースは珍しくないのです。 健康保険料でも同様のケースが発生します。 また、2024年度は定額減税が実施されているため、この影響で手取り額が変わるというケースもあります。
【厚生年金と国民年金】2階建てのしくみ
ここからは、公的年金の仕組みの基本をおさらいしておきましょう。 「日本の公的年金は2階建て」などと呼ばれることがありますね。これは「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」という、二つの年金制度から構成されているためです。 国民年金の加入対象は、日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人。 年金保険料は全員一律で、2024年度の月額は1万6980円です。 国民年金の被保険者は、働き方や立場によって、下記のように第1号被保険者~第3号被保険者に分類されます。 ・第1号被保険者:自営業・フリーランスや20歳以上の学生など ・第2号被保険者:会社員や公務員など ・第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者 第1号被保険者は、40年間保険料を支払うことで、老後は満額の老齢基礎年金(2024年度は月額6万8000円)を受給できます。 未納期間や保険料免除期間がある場合は、その月数に応じて満額から年金が差し引かれる仕組みです。 第2号被保険者である公務員や会社員などは、国民年金に上乗せして厚生年金にも加入します。 現役世代が納める厚生年金保険料は、収入によって決められ、毎月の給与から天引きされます。 老後に受け取る「老齢厚生年金」の受給額は、年金加入期間や、その間に支払った年金保険料に応じて決まります。 長く働き、多く稼いだ人ほど老後の受給額が多くなる(ただし上限あり)しくみです。 そのため、老後実際に受け取る年金額には大きな個人差が出ます。 また、国民年金の第3号被保険者(第2号被保険者に扶養される配偶者)は、国民年金保険料を自身で納める必要はありません。