うそ電話詐欺の未然防止へ 金融機関に啓発マット導入 奄美市名瀬
鹿児島県奄美市名瀬の奄美大島信用金庫本店で9月30日から、うそ電話詐欺防止マットが導入された。店舗入り口近くのATM(現金自動預払機)コーナーに大小2枚が設置され、来店した利用客らに、うそ電話詐欺など特殊詐欺ではないかと確認を促すよう啓発している。 うそ電話詐欺防止マットは、クリーンサービス業など大手のダスキンが社会貢献活動の一環で制作する地域限定マット。全国で増加する特殊詐欺被害を減らすため、各都道府県警察と連携して作成し、金融機関などATMを設置する事業者で導入が進んでいる。 鹿児島県では昨年末から県警と連携して制作し、このほど完成。奄美群島の金融機関では奄美大島信用金庫本店を皮切りに導入が始まった。 同日は、ダスキン大島の仁田尾美貴さんが同店を訪れマットを設置。仁田尾さんは「うそ電話詐欺防止マットで、少しでも詐欺の抑止につながればうれしい」と話し、同金庫の西田哲総務部長は「特殊詐欺も多様化して、職員の声掛けだけでは防ぐことができない時代。マットの効果で、詐欺の未然防止になれば」と期待した。 県警によると、うそ電話詐欺被害状況は2020年の45件、1億2752万円から、23年は128件、4億5376万円に増加している。 ダスキンは県内では奄美大島信用金庫のほか、鹿児島銀行、鹿児島信用金庫の各店舗に1~2枚配布する予定。今後、他金融機関にも設置を働き掛けるという。