41歳の格闘家、修斗プロデビュー 「絶望」から17年越しの道のり 沖縄
再び格闘技との接点をくれたのは、東京のジムで指導を受けたトレーナーからの誘い。沖縄で開く大会を手伝ってほしいと打診されたことだった。さらに、打撃を伴わない、組み技だけのレスリングに参加したところ、注目を集める。一緒に練習する仲間が増えていったという。 レフェリーや裏方として再び格闘技に関わるようになった小生さん。練習場所を確保しようと、農業の傍らオープンさせたのが、現在のジムだった。 2023年6月、転機は突然訪れる。「(診断を受けた時と比べて)くも膜のう胞は(深刻さが)軽くなったのではないかと淡い期待を抱いていた」という小生さん。「夢を諦めるため」に病気の診断を受けてから初めて、詳細な検査を受けたという。 そこで医師からは17年前にあった異常がなくなっているとの診断を受けた。医師から「(試合に出るのを)止める理由はない」と告げられ、再びリングへ向かうことを決意した。 セコンドに妻の姿 名護を拠点に目指す道
決意してからの行動は早かった。「いても立ってもいられない」。アマチュアの大会でエントリーを目指すが、出場枠は限られているため、県外の大会から出場していった。昨年8月の関東選手権で、枠があった一つ上の階級で準優勝を果たす。続くアマチュア修斗全日本選手権は2回戦で敗れたものの、優勝した選手を苦しめるなど、スキルが評価されてプロ昇格が認められた。 迎えた4月14日のデビュー戦。いつも裏方だった小生さんがスポットライトを浴びて、先頭で入場した。セコンドには、苦しい時も常に支えてくれた由紀さんの姿があった。小生さんは「ここまできたら、ベルトを巻きたい」と次の目標を口にする。名護市を拠点にして、プロ格闘家としての歩みを進めていく考えだ。
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