有事に備え油防除訓練 17機関参加、名瀬新港で 奄美市
奄美群島排出油等防除協議会奄美支部(支部長・大場伊佐大奄美海上保安部長)は22日、鹿児島県奄美市の名瀬港新港地区3号岸壁で油防除訓練を行った。海上に大量の油が流出したと想定し、被害拡大を防ぐオイルフェンス展張の手順を確かめた。 同協議会は、海洋汚染および海上災害の防止に関する法律に基づき2016年に設立され、奄美群島には六つの支部を置く。船舶事故などで油や有害液体物質が海に排出された際、関係機関が連携・協力を図り、被害拡大を防止する。 奄美支部は毎年訓練を実施。今回は奄美海保や行政、運送や石油事業者など官民合わせて17機関から約30人が参加し、海上でオイルフェンスを隙間なく展張するために重要となる陸上での事前準備の手順を確認した。 奄美海保警備救難課の村上勇課長は「油の流出事故はひとたび発生すれば長期間、その地域に甚大な被害をもたらす。官民が連携して初動措置をいかに早く行うのか、その協力体制が一番重要。訓練や研修を通じて今後、顔の見える協力体制をさらに進化させて、奄美の海を皆さんと一緒に守っていきたい」と話した。