“ボロ家ハラスメント”報道のいなば食品 「仰天釈明リリース」に批判殺到でも意外と逃げ切れる背景
しかし実際には労働条件通知書を発行せず、口約束や面接時の口頭説明のみしかしていない企業の話を学生から聞くことがあります。いなば食品ほどの大企業でも通知書発行をしていなかったとすれば、コンプライアンスに重大な疑義となり、就活学生に忌避される可能性は十二分にあるでしょう。 他にも報道された出社時間前に掃除や着替えを強制するサービス残業、許可制の有給休暇や研修への強制参加、社内宴会での無給拘束、ボランティア強制など、さまざまな違法行為が事実だとすれば、新卒学生は大いに警戒するでしょう。もし事実に反することが報道されている場合は、ただちに否定・釈明を発表するべきです。
世間、特に採用したい学生から自社がどう見えているのか、この事件はすべての企業にとって他山の石となる事例だと思います。
増沢 隆太 :東北大学特任教授/危機管理コミュニケーション専門家