「ドウアンはとても存在感があった」フライブルク指揮官の采配が的中。劇的勝利でEL16強入りに堂安律は「頑張ったかな」【現地発コラム】
「セットプレーの感覚もよかった」
バイスハウプトは小気味いいドリブルで何度も起点を作り、そしてグレゴリチュはゴール前で幾度も体を張り続ける。同じ3バックでもビルドアップに長けたへーフラーが最後尾に入ったことで、パスの出口を作り出す頻度が増えた。 終盤には変化をつけられるビンツェンツォ・グリフォを起用し、それがアディショナルタイムでのハンガリー代表FWローランド・サロイの同点ゴールに繋がった。 延長に入るとケガで長期離脱していたクリスティアン・ギュンターを満を持してピッチに送る。ホームサポーターからの応援が何倍にも膨れ上がる。あらゆる要素を駆使して、チームが勝つ可能性を高めるための手を打つのが指揮官の務めといえるだろう。 指揮官は「例えばノアは試合を変えることができる選手だ。だからどのように彼を起用するかをいつも考えている。ビンチェもそうだ。今日はとにかく運動量が求められる試合になることがわかっていたので、スタメンは今日の形でいったんだ」と語った。 延長戦でグレゴリチュが値千金の逆転ゴールを決めるところまでシュトライヒがイメージしていたわけではない。でも、起こりうる現象とそれに対する対処を考えながら、監督は戦い続けていた。 120分間、足を止めることなく戦い続けた堂安は「自分のゲームではなかったのは理解していた中で、割り切った結果、得点に関与できたところもあったと思う。セットプレーの感覚もよかったですし。頑張ったかなと思います」とチームへの貢献を実感し、仲間、そしてファンとともに2シーズン連続のELベスト16進出を喜んだ。 サッカーは流れのあるスポーツだ。試合の流れを作るための戦い方、試合の流れを変えるための起用法、そして試合の流れを止めるための対策。様々な準備があるし、様々な対処法がある。それを指揮官が決断し、選手が実践する。 フライブルクの戦いぶりから、改めて監督という存在の大切さを考えさせられた。 取材・文●中野吉之伴
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