住民は“不参加” 知事は“有効性を強調”…能登半島地震後初の原子力防災訓練を振り返る
北陸電力志賀原子力発電所での重大事故を想定した県の原子力防災訓練が能登半島地震後初めて24日、石川県志賀町などで行われました。今年は、能登半島地震での被害を反映した新たな体制も確認されました。 【写真を見る】住民は“不参加” 知事は“有効性を強調”…能登半島地震後初の原子力防災訓練を振り返る 訓練場所のひとつ、志賀原発内。 志賀原子力発電所・放生潤 所長「第一緊急体制を発令。各班、対応のこと」 能登半島地震後、初となる訓練は、石川県志賀町で震度7の地震が発生し、志賀原発2号機の外部電源が喪失、放射性物質が放出されたという想定で行われました。自衛隊や北陸電力などおよそ130の機関から600人が参加した今年の訓練。震度の想定を能登半島地震で観測した震度7とするなど、元日の地震をふまえた訓練が各地で行われました。 志賀小学校で行われたのは、放射線防護施設の代わりとなるエアテントを設営する訓練です。フィルターで浄化した空気をポンプで送り込みながら、テント内の気圧を高くすることで放射性物質の侵入を防ぎます。 ■能登半島地震で活用されなかったエアテント 視察する馳浩知事「風を送り込むには電源が必要ですが、発電機で?」 県職員「非常用発電機を使います」 馳浩知事「なるほど」 元日の地震では高齢者など配慮が必要な人が一時的に避難する町内の放射線防護施設が損傷し使えない状態に。しかし、町が所有するテントは、活用されませんでした。 志賀町・稲岡健太郎 町長「今回の地震は災害規模が大きすぎて、また原子力災害に至ってなかったので使用には至っていなかったのですが、今後いろいろな最悪の事態を想定して、備蓄というか備えをしていきたいと思います」 一方、原発から30キロ以上離れたかほく市では、避難してきた住民や車に対して放射性物質の汚染検査訓練が行われました。今年は、被災者への負担を考慮して住民の参加は見送られたため、自治体の職員が住民役を務めます。 ■避難もDX化…ひとりひとりにQRコード発行 首からぶら下げているのは1人1人に割り振られたQRコード。