あなたが負ったダメージは、どのくらいですか? 「もうダメだ」と思ったときの思考法を、元自衛官のぱやぱやくんが伝授 元幹部自衛官が教える人間関係のサバイバル術
何かに挑戦する際、避けられない「失敗」への不安に対して、元自衛官ぱやぱやくんは、「失敗の程度を見極める冷静さ」を持つことの重要性を説いています。失敗を過剰に悲観すると、挑戦への意欲も削がれてしまいがち。ぱやぱやくんは、たとえミスがあっても、それが本当に「大失敗」かどうかを段階的に客観視することで、状況を見誤らずに気持ちを保つ方法を勧めます。著者最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から、挑戦を恐れず進むための心構えを紹介します。 【マンガ】社会という「戦場」で生き残るには…元自衛官が教えるサバイバル術はこちら! * * * 何かにチャレンジをするというのは、どうしても「失敗に直面する」ということを避けられません。それなのに、人間はどうしても失敗をしたときに「もうおしまいだ……」などと必要以上に悲観的に考えてしまいます。 すると、失敗をすることに対して心が持たなくなり、チャレンジをする気もどんどん削がれてしまいます。 だからこそ、失敗をしたときにこそ、自分の周囲の状況や自分自身が受けたダメージを客観的に確認することが必要になるでしょう。 ここで考えて欲しいのは、あなたが起こした行動が、本当に「失敗」だったのかです。 そもそも「失敗」とはいったいどんなものなのか、考えてみましょう。 次の1~6のうち、あなたはどの数字の状態に陥ったら、失敗だと考えますか。 1「死者が出ている。または自分が死んでいる」 2「怪我人が出ている。もしくは自分が怪我をしている」 3「金銭的に大損害が出ている。または訴訟を起こされている」 4「誰か怒り狂っている人がいる」 5「少しイラッとしている人がいる」 6「誰も怒っていないし、気にしているのは自分だけ」
こうして可視化して見てみると、あなたが思う失敗は、せいぜい「5」とか「6」くらいのレベルではないでしょうか。 もしも「大失敗をしてしまった……」と思ったところで、実は「4」くらいに過ぎない場合も多いのかもしれません。 こうしてみると、誰かの感情を少し害してしまっただけにもかかわらず、「自分はもうおしまいだ……」と考えていたケースも多いと気づくのではないでしょうか。 たしかに、人間同士で生きていく中で、できれば問題やトラブルは少ないほうがいいですよね。なので、何か起こったときには「やってしまった……」と思うかもしれません。 しかし死者が出たり、怪我を負ったりという最悪の事態に比べたら、この世の中にある失敗は、大したことのないケースがほとんどです。 ただ、何かが起こってしまった場合には、たしかにがっかりもしますし、落ち込んでしまうのはよくわかります。 そういった「失敗をした」と思ったときこそ、「やばい!」「どうしようか……」と漠然と考えるのではなく、しっかりと自分の状況を見極めるようにしてみましょう。 (ぱやぱやくん) ぱやぱやくん/防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。名前の由来は、自衛隊時代に教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。著書に『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』(育鵬社)、『陸上自衛隊ますらお日記』『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』(以上、KADOKAWA)など。
ぱやぱやくん